原島 博+井口征士=監修
『感じる・楽しむ・創りだす 感性情報学』復活!

長らく品切れになっていた『感じる・楽しむ・創りだす 感性情報学』のカバーを増刷して復刊しました。本書は、まもなく『俯瞰する知 原島博講義録シリーズ』がスタートする原島博先生らの監修で、2004年に刊行し好評でしたが品切れに。20年の時を経て復活しました。
人の指さしはいいかげん? 視線やうなずきも会話のうち?
インタフェースとしての身体をめぐる認知科学的な研究から、ヒューマノイドロボットの開発、発見を促すデータサイエンス、感性交歓の場づくりの実践的研究まで、感性情報学をドキュメント。
最先端の研究ドキュメントではなくなりましたが、今なお示唆に富む内容です。
■目次より
まえがき 心と心のコミュニケーションにむけて 原島 博第1部 身体化される知と心
1-1 身体化による認知メカニズム 乾 敏郎[コラム#01] 「手のばし」と「手づかみ」のダイナミズム 林 武文
1-2 メンタルモデルの生成と活用 波多野誼余夫
1-3 イントネーションにひそむ本音 ノーマン D.クック
1-4 世界はなぜそこにあるように見えるのか 齋木 潤
第2部 共感・協調するパートナー
2-1 キャラクタエージェント百花繚乱 石塚 満2-2 表情豊かな顔をつくりだす 森島繁生
[コラム#02] 似顔絵エージェント 金子正秀
2-3 共感するヒューマノイドロボット
2-3-1 いつか心が伝えあえる日まで 橋本周司
2-3-2 場の雰囲気や相手の気持を察するロボットをつくる 小林哲則
2-4 仮想空間に遊ぶ「もうひとりの私」 苗村 健
第3部 ひらめきを促す直観的インターフェース
3-1 直観的アクセス空間を構築する3-1-1 メディア空間の構築法と直観的アクセス法 田中 譲
[コラム#03] ウェブに公開されているサービスをキャラクタのガイドで気軽に活用する 伊藤公人
3-1-2 直観的アクセス空間のビジュアルデザイン 須永剛司
3-2 データサイエンスにおけるメンタルモデルの活用 田中 譲
3-3 曖昧模糊にはじまるアクセス 堀 浩一
3-4 メディア空間の演出法と物語データベース 原口 誠
[コラム#04] 似ている文書を探しだす 山本章博
3-5 速読支援メディアの彼方へ 川嶋稔夫
第4部 感性交歓の場をつくりだす
4-1 高精細画像技術から感性創発システムへ4-1-1 インタラクションにより感性創発の場をつくりだす 谷内田正彦
[コラム#05] 散歩ができる空間づくり 長原 一
4-1-2 人の意図や行動を見きわめる 岩井儀雄
[コラム#06] 気づきのスキルを初心者に伝達する 山口智浩
4-2 初心者でも楽しめる演奏システム 才脇直樹
4-3 竹管の宇宙に遊ぶ 片寄晴弘
[コラム#07] 意匠曲線の「味わい」の違いをきわめる 金谷一朗
4-4 日用品をつかむように情報をつかむ 木村朝子
座談会 感性情報学から人間学へ
乾 敏郎 石塚 満 田中 譲 谷内田正彦 原島 博 井口征士 三宅なほみあとがき さまざまなインタラクションの契機に 井口征士
■まえがきより |
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心と心のコミュニケーションに向けて 原島 博
画像処理技術や音声処理技術の進展で、仮想(バーチャルリアリティ)空間の精度はあがり、「マルチモーダル(さまざまな感覚系)」を合い言葉にさまざまな商品も開発されています。しかし、あまりにも多くの刺激を外部から与えすぎると、想像力のはたらく余地もなくなりそうだと心配になります。できれば外部からの刺激をきっかけに、皆それぞれ心に抱いているものがふくらんで、お互いに通じ合いたい。そこで生まれた感動は外からの刺激がなくなっても永続して、心と心がつながっているという意識として残る……そんな理想にむけて感性を捉えてみようと試みました。