
9月の新刊は、『マハラジャ白内障キャンプから覗いたインド万華鏡』です。
ひとりでも多くの人に「光」を届けるために
日本では気軽に受けられるようになった白内障手術も、インドでは
まだ恵まれた一部の人のためのものである。
そんなインド、ダージリンで、2003年から7回にわたってボランティアによる白内障手術
「マハラジャ白内障キャンプ」が行われた。
その活動の裏には、多くの人びとの無償の支援と熱い想いがあった。
四六判上製、192頁、定価 本体1800円+税、10月下旬発売予定。
■目次より
1 インドへの道
『西遊記』と頭蓋骨/「インドは難しいよ」/煩瑣な仕事からの解放/機材手配の準備/ 白内障とその手術について /ボランティア「事務局長」誕生 /初めてのインド/石井さん一家のこと /赤い城とデパート/インドのイメージ・ギャップ/ニームの木の会/ボランティア活動はインドに決定
2 はじめての白内障キャンプ
マハラジャのラジャさん/カーシオンの町と病院/マカイバリ茶園/虎と豹/手術器械はドイツ経由で移送/第一回白内障キャンプに出発/デリーの定宿、オベロイ・ホテル/ダージリンに到着/「インドでは何が起こっても不思議ではない」/バグドグラ空港のレストラン/ダージリンに向かう道で/マカイバリ茶園でのプージャ/歓迎「白内障キャンプ」/前室もない手術室 /手術開始/一筋縄ではいかない患者たち/ラジャ家のリビングにて/二日目は昼食抜きで/ダージリンの雪/「クリスタルフラッシュ」誕生/トヨタ車とトヨタ・タイガーの由来/シッキムと紅茶の有機栽培/ニューデリーでのテレビ出演
3 白内障キャンプの継続
第二回白内障キャンプ/壊れていた手術用顕微鏡/トラブル発生/手術をためらう家族/昼食はビリヤニ/使い捨て/インド電力事情/インドとロシアと中国と/「事務局長」の逝去/ 茶の神の虫と少女/後継者育成の悩み/ゴッシュ君日本へ/第四回と第五回の白内障キャンプ/「施し」の思想/コルカタのアーユルヴェーダ/第六回白内障キャンプ/ストライキとゴルカランド/テレビ取材/第七回白内障キャンプ/欧風化が進むニューデリー/ インドと日本でのテレビ放映/長い歴史が育んだ感情表現
4 インドつれづれ
ニューデリーのゴルフ/カシミールへの旅/ODAスタッフの嘆き/インドの通関事情/ 南インド風うどん/ オールドデリー/白内障キャンプ後日譚
おわりに
■著者紹介:米谷 新(よねや・しん)
1947年5月9日生まれ。群馬県渋川町(現渋川市)出身。元埼玉医科大学眼科主任教授。専門は眼科学。
2003年から2013年にかけて、インドのダージリンでチャリティー事業「マハラジャの白内障キャンプ」を敢行。近年は、レーザーを使った緑内障検査装置の開発に携わる。著書に、『多色クリプトンレーザー光凝固』、『脈絡膜循環と眼底疾患』などがある。
『マハラジャ白内障キャンプから覗いたインド万華鏡』