十二支外伝[詳細]
予測不能なご乱行
十二支ばかりがなぜ偉い。
芸達者なら、タヌキやキツネ。
強面(こわもて)するのは、クマにオオカミ、シシにヒョウ。
淑女は、やっぱりネコが好き。
ゾウもクジラも、忘れちゃいけない。
波乱万丈、奇妙奇天烈、夢の舞台の幕が開く。
■目次より |
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◆猫の章
ねこ─猫◆里獣の章
いたち─鼬/かわうそ─獺/てん─貂/もぐら─土竜/りす─栗鼠/くま─熊/おおかみ─狼◆狐狸の章
きつね─狐/たぬき─狸◆蹄獣の章
しか─鹿/かもしか─羚羊/ろば─驢馬◆海獣の章
あしか─海驢/おっとせい─膃肭臍/とど─胡獱/らっこ─猟虎/くじら─鯨/しゃち─鯱/いるか─入鹿魚◆飛獣の章
むささび─鼯鼠/ももんが─摸摸具和/こうもり─蝙蝠◆異獣の章
はりねずみ─蝟/らくだ─駱駝/ばく─獏/さい─犀/ぞう─象/しし─獅子/きりん─麒麟/にんぎょ─人魚出典一覧
あとがき
■内容より
■関連図書(表示価格は税別) |
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■書評 |
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●2023.2.18 毎日新聞「CoverDesign」鈴木成一さん選
「…このような本への丁寧で真摯な関わりにうれしくなる…」と。デザインは佐藤ちひろ。[毎日新聞サイトへ]
●2023.2.4 東京新聞 内藤麻里子さん(文芸ジャーナリスト)書評
獣へのあくなき好奇心
…「猫を狂わせる術」や「鼠(ねずみ)に咬(か)まれたら、猫の涎(よだれ)を塗ると治る」など、真偽はともかく、ちょっと気を引く小話が盛りだくさん。酒席で披露したい気の利いたジョークっぽいものもある。後を引かず、ぶっつり話は終わる。教訓めいた話はほぼない。奇譚は淡々と語られるのがいい。
…「異獣の章(はりねずみ、ばく、ぞうなど)」と、だんだん身近ではない動物が登場する。すると、昔の人々の未知なるものへのあくなき好奇心が話の端々からにじみ出てきて、感動してしまった。こんな素朴な好奇心を持っていたら、もっとこの世は楽しくなるんじゃないか。そんなことまで思わせる。油断ならない本だ。
[東京新聞サイトへ]
●週刊読書人2023年1月27日号
…中でも興味深いのは、「異獣の章」に登場する〈人魚〉の節だ。「武道伝来紀」によると、人魚は「雲雀笛のような静かな声」をしているらしい。想像すると、なぜか背筋がゾッとしてしまう。…
●和歌山県田辺市立図書館「たなべる Letter132号」(2023年1月刊行)
年末年始になると意識するのが「十二支」ですが、本書はあえてその「十二支」に入っていない動物達に焦点を当てています。身近な猫から始まり、狸や狐といった昔話の常連からシャチや象、駱駝(らくだ)に至るまで、古典文学や随想に記された珍談奇談が紹介されています。近代以前、動物達に向けられた眼差しを通して、時間旅行が楽しめる1冊です。…