希望の遺伝子[詳細]
LES GENES DE L'ESPOIR
DNAにユートピアはあるのか!? YES or NO
遺伝子技術の発展は目覚ましく、出生前診断や親子鑑定、犯罪捜査にまで応用されている。その反面、クローン、遺伝子組み換え食品など多くの問題も指摘されている。
遺伝子は、何をもたらし、何を可能とし、そして私たちは何を選択できるのか。
遺伝子技術に「待った!」と言う前に、まずは遺伝子を知ることが先決。
フランスを代表するゲノム生物学者コーエンが、遺伝子研究がもたらす明るい未来をわかりやすく描く。
■遺伝子研究にオートメーションをとりいれ、アメリカに先駆けてヒトゲノムの遺伝子地図を完成させるまで。
■筋ジストロフィーなど遺伝がもたらす病気のメカニズム、その予測医学、的確な知識を得た上で患者本人が判断することが重要。
■病気の遺伝子を見つけても、その治療法が確立するのはまだ先。遺伝子治療の仕組みと現状をわかりやすく説明。
- 序文 ノーベル医学賞受賞ジャン・ドセ教授
- 第一章 10万語のヒトゲノム
- 第二章 ロボットと飼いならされた酵母
- 第三章 近未来のものがたり
- 2004年5月11日 マリアンヌのはじめての妊娠と遺伝子検査
2008年2月13日 生命の暗号、ついに解読!
2012年10月13日 みんながもっている「遺伝子身分証明書」と法案
2014年1月7日 なんてこった! 個人の遺伝子情報流用事件
- 第四章 おしえてください、ドクター……
- わたしの目は、なぜ青い?——優性と劣性のメカニズム
部族外結婚が重要なわけ——劣性遺伝の確率
納得できる病気とエレファント・マン——優性遺伝の仕組み
どちらを選ぶ?最良の情報と無知の暗闇
- 第五章 遺伝子医学による予測から治療へ
- 遺伝子治療の原理/遺伝子治療の実験的試みはどこまできているのか
- 第六章 遺伝学者は未来のフランケンシュタイン博士!?
- 遺伝子ルーレットと個性/天国か地獄か? 遺伝子操作の新世界
- 第七章 そして老いは破滅ではなくなるだろう
- 第八章 ヒトはヒトから進化する!?
- 補遺
- 1 染色体の二重らせん 2 タンパク質 3 受精以前の遺伝子組み換え
4 突然変異、多様性の特質と人間の多形性 5 ゲノムの地図作成
■著者紹介:ダニエル・コーエン Daniel Cohen |
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1951年チュニジア生まれ。フランスを代表するゲノム研究者。78年よりジャン・ドセの下で、分子生物学、特にDNA研究を始める。以後ドセと共にCEPH(人類多形性研究センター)の中心人物として活動。92年ヒトゲノムの21番染色体の遺伝子地図を完成し、世界の注目を集める。現在、遺伝子産業会社ジェンセット社長。
目下フランスではパリ南郊の新興都市エブリーに、AFM(筋ジストロフィと闘うフランス人協会)事務局をはじめ、ジェネトン(GENETHON)、ジェンセット(GENSET)、国営航空宇宙研究建設会社(SNECMA)、国立塩基配列センター(GENOSCOPE)、国立ゲノム型研究センター、ローヌ・プーランク/ローレル社の新しいゲノム研究部門まで、ゲノム研究機関が集められ、ジェノポールと呼ばれる「ゲノム都市」の計画が進められている。コーエンはこの都市計画のシナリオを、AFM会長ベルナール・バラトーとともに書き上げた立役者でもある。
賛否がわかれる遺伝子研究は関連図書もたくさんある。ご参考までに一部を紹介。
NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体3 遺伝子DNA NHK出版 各3200円
あなたの中のDNA 中村桂子 ハヤカワ文庫 485円
生と死のゲノム、遺伝子の未来 アンソニー・スミス 原書房 1900円
生命とはなにか—細胞の中の驚異の世界 レンズバーガー 青土社 2800円
遺伝子がつくりだす世界 S・オルドリッジ 青土社 2400円
遺伝子と闘う人たち C・A・ドルリカ 青土社 2200円
遺伝子=生老病死の設計図 S・ジョーンズ 白揚社 3500円
遺伝子医療への警鐘 柳澤桂子 岩波書店 2300円
バイテクセンチュリー J・リフキン 集英社 2000円
遺伝子組み換え食品は安全か? J=M・ペルト 工作舎 1600円
身長の神話——巨人伝説から遺伝子操作まで C.モンディエ=コル+M.コル 工作舎 1800円
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