気まぐれ古書店紀行[詳細]
目次| 著者紹介|関連図書|関連情報|書評|編集者から(特集) |
均一小僧の全国漫遊“脱力随筆”
『彷書月刊』人気連載を集大成
古書店の店頭ワゴンを漁る、
誰が呼んだか「均一小僧」。
これから月一回、これまで行ったことのない古書店を目指して、
初めての駅を降り、初めての町を散策しようじゃないか…と
始まった『彷書月刊』誌の人気連載を集大成。
8年間の漫遊の日々の中には、ライター稼業の一喜一憂、
家族の物語、古本界の動向なども活写される。
■目次より |
▲ |
第一部 1998年天誠書林の「天」の字はなんと! 第二部 1999年悲しみよこんにちは 第三部 2000年小鳥の来る日に玉川上水へ 第四部 2001年人生いたるところ古本市あり(その2) 第五部 2002年海の見える町で『海の見える町』を買う 第六部 2003年映画に曳かれて鎌倉参り 第七部 2004年なぜか浅草で落合恵子を! 第八部 2005年小沼丹と幻のスタジアム |
|
■関連図書(表示価格は税別) |
▲ |
■関連情報 |
▲ |
●2006.12.8 海野弘×岡崎武志トークショー
「海野弘 私の100冊の本の旅」展 記念 in ブックギャラリーポポタム
2006.12.8(金)18:30〜20:30 1000円
豊島区西池袋2-15-17
ブックギャラリーポポタム
●2006.12.16 国立公民館でトークショー
トーク「古本散歩の楽しみ方」
2006.12.16(土)14:00〜16:00 無料
国立市中1-15-1 国立市公民館3F集会室
●2006.12.19 高円寺コクテイルで「年忘れ つま恋報告会」
拓郎&かぐや姫 つま恋ライブを最前列で見た男が唄い、語る
2006.12.29(金)19:00会場 19:30開始
チャージ1000円(25名限定・要予約)
杉並区高円寺北2-24-13
コクテイル
●2006.12.30 三鷹で加藤千晶×岡崎武志トークショー
三鷹上々堂(しゃんしゃんどう)にて、加藤千晶さんミニライブのあと、
加藤千晶×岡崎武志「古本雑談」
2006.12.30(土)16:30〜 1800円(ライブ込み・先着20名)
三鷹市下連雀4-17-5
三鷹上々堂
●8月は京都でトークショウ
山本“赤貧”善行VS岡崎“気まぐれ”武志 古本決戦!トークショウ
京都のガケ書房で「下鴨神社納涼古本祭り便乗ちゃっかり企画!」と題して、石丸澄子さんと久住卓也さんの「新作てぬぐい二人展 『くすすみ てぬぐいしりぬぐい』ガケの巻」開催。その初日イベントは、「山本“赤貧”善行VS岡崎“気まぐれ”武志 古本決戦!トークショウ」。山本ふるほん蔵書大放出セールもあります。その他、久住昌之&ブルー・ヒップライブ、ふちがみとふなとのライブあり。
2006.8.11〜16
京都・北白川 ガケ書房
京都市左京区北白川下別当町33
●2006.6.4 神保町で岡崎武志さんイベント
6月4日(日)〜6日(火)、カフェ、トークショーetc.が古書と出会う複合型のイベント「アンダーグラウンド・ブック・カフェ −地下室の古書展−Vol.7」開催。会場は神保町の東京古書会館。「日本と世界の蔵書票展」、座談会、ワークショップ、古書・作品展示販売などイベント多数。中でも目玉は3夜連続トークショー、その第一夜が岡崎さんとノンフィクションライターの黒岩比佐子さん(『「食道楽」の人 村井弦斎』/岩波書店刊で2004年度サントリー学芸賞受賞)の対談。
「コショテンめぐりのススメ」 岡崎武志 vs 黒岩比佐子
2006.6.4(日)19:00〜
アンダーグラウンド・ブック・カフェ
2006.6.4(日)〜6.6(火)
東京古書会館地下ホール
東京都千代田区神田小川町3-22
●彷書月刊 2006.5月号 特集「岡崎武志古本劇場」
「均一小僧の気まぐれ古書店紀行」の連載100回記念として「彷書月刊」5月号は特集「岡崎武志古本劇場」です。「均一小僧の気まぐれ古書店紀行」特別篇あり、坪内祐三氏との対談(ジュンク堂書店池袋店でのイベント)あり、sumus同人・山本善行氏の「岡崎武志が上京するまで」など、盛り沢山の内容です。
●彷書月刊特集を記念して高円寺・コクテイルでイベント3連発
第1弾 4月30日(日) 「彷書月刊」特集号を肴に、岡崎さんワンマンライブ。(チャージ1000円)
第2弾 5月14日(日) ゲストに中川五郎さんを迎え、フォーク、関西、ラブ・ジュース裁判などを話題にトークショー。中川さんの歌もあり。(チャージ2000円)
第3弾 5月28日(日) 古本女子おぎやはぎのカネコ・コウノが作った50の質問に、ズバリ岡崎さんが答えます。(チャージ1000円)
会場:古本酒場 コクテイル
●2006.4.14・15 本の散歩展 大サイン会に岡崎さんも参加
Recommended Imageの石丸澄子さんのポスターでおなじみの「本の散歩展」が、この4/14(金)・15(土)に開催されます。なんと今回で20回、春秋2回で丸十年になるそうです。
これを記念して「本の散歩大サイン会」が行われます。岡崎武志さんをゲストに、『月の輪書林それから』の月の輪書林・高橋徹さん、『チリ交列伝』の古書いとう・伊藤昭久さん、『駆け出しネット古書店日記』の文雅新泉堂・野崎正幸さん、『彷書月刊編集長』のなないろ文庫ふしぎ堂・田村治芳さんの5名。
日時 2006.4.14(金)・15(土)
会場 南部古書会館
品川区東五反田1-4-4
本の散歩大サイン会 4.15(土)13〜14時
●2006.4.12 増刷できます!
おかげさまで売れ行き好調のため3/27以来、品切となってしまった『気まぐれ古書店紀行』。4/12についに増刷ができます! しかも単なる増刷ではなく、見返し(表紙を開いて最初に目にする色紙)の色が朱色に変わります。また、著者による書き込みも新たに加筆されました! これはまさしく「異本」です。
●2006.3.18 青山ブックセンター六本木店プロデュース、トークショー&フェア開催
六本木で岡崎さんのトークショー開催。岡崎さんの買いたての均一本を多数披露。
『気まぐれ古書店紀行』刊行記念
「均一小僧の独演会」 岡崎武志さんトークショー
2006年3月18日(土)19:30〜21:00(開場19:00)
会場:ストライプハウスギャラリー
(青山ブックセンター六本木店より徒歩5分/1FはABCの兄弟書店・東京ランダムウォーク ストライプハウス店)
※ 当日、抽選で5名の方に石丸澄子さん表紙画のシルクスクリーンプレゼント
※スペシャル・ゲスト:『早稲田古本屋日録』(右文書院)の向井透史さん(早稲田・古書現世店主)。
「岡崎さんが選んだ本」フェア開催
青山BC六本木店の文芸棚で「岡崎さんが選んだ本〜古きをたずねて古きを知る」フェア開催。岡崎さんが選んだ10冊について、それぞれの推薦コメントも展示。例えば
小山清『日日の麺麭 風貌』講談社文芸文庫
「太宰の弟子・小山清は、その名のごとく、小さく清らかな世界だけを見つめ、小さな説(小説)を書いてきた。「落穂拾い」は古本屋の少女との魂の交流を描く。心滅びる夜に読まれるべき小説たちである。」
●2006.2月 装画を担当した石丸澄子さんのポスター展&即売会
ジュンク堂書店池袋店3Fフロアにて、石丸澄子さんのポスター展&即売会を開催。 西荻窪「古書 興居島屋(ごごしまや)」店主の顔も持つ石丸さん。レトロなタッチのシルクルクリーンは味わい深く、古本系シルクスクリーン(『彷書月刊』編集部命名)としてファンも多い。
会期:2006.2.2〜2.28
会場:ジュンク堂書店池袋店 3F
※[Recommended Image:本の散歩〜古本系シルクスクリーン・石丸澄子の世界]にて、石丸さんのシルクスクリーン作品を紹介
●2006.2.18 神戸・海文堂書店にてサイン会開催
『気まぐれ古書店紀行』著者・岡崎武志さんが神戸に出張。古本ミニコミ誌『SUMUS』を兵庫県下で唯一販売している海文堂書店にてサイン会開催。
〜 『気まぐれ古書店紀行』(工作舎) 出版記念 〜
日時:2006.2.18(土) 14:00〜15:00
会場:海文堂書店・1F中央カウンター
兵庫県神戸市中央区元町通3-5-10
●古本酒場 コクテイルにてイベント
『彷書月刊』人気連載単行本化を記念して、均一小僧・岡崎武志がカウンターに入ってみなさまのお相手をします。文士料理、ギター演奏、トークショーなど、何が飛び出すかお楽しみ!
日時:2/19(日) 19:00〜
会場:古本酒場 コクテイル
杉並区高円寺北2-24-13あづま通り(JR中央線高円寺北口徒歩7分)
●2006.2.23 ジュンク堂池袋にて岡崎武志・坪内祐三トークショー
岡崎武志さんの『気まぐれ古書店紀行』と、坪内祐三さんの『極私的東京名所案内』(彷徨舎)は、本好きの情報探究誌『彷書月刊』の連載の単行本化。岡崎さんの連載は坪内さんの推薦によってスタートしたのだとか。この2冊の刊行を記念して、ジュンク堂書店池袋店にてお二人のトークベントを開催。
日時:2006.2.23(木) 19:00〜 満員御礼
会場:ジュンク堂書店池袋店 4F喫茶
■書評 |
▲ |
●2007.9.2 朝日新聞「話題の本棚」紹介
古書店探訪 時空超えた「人」「知」との出会い
「ネット検索もしやすくなったこのごろ、古本の奥深さ、古書店巡りの楽しさを紹介する書籍が目につく。著者はいずれも「古本道」の達人たち。…」として、4作を紹介。その中で『気まぐれ古書店紀行』も紹介いただきました。
●岡崎武志さん&石丸澄子さん、大人のウォーカー 2007.7月号に登場
『気まぐれ古書店紀行』の名コンビ、著者の岡崎武志さん&装画の石丸澄子さんが西荻の街を紹介しています。石丸さんは西荻で古書店「興居島屋(ごごしまや)」を営み、岡崎さんと本のミニコミ誌「おに吉」をいっしょに作っています。
岡崎 夜も遅くまで開いている。神保町はどこも店じまいが早いでしょ。だから「夜の神保町」って呼ばれています。
石丸 夜になるとこちらに流れてくる方は多いですね。飲んだ帰りにふらりと寄ってくださったり。
岡崎 僕が西荻も一番よく来る時間帯は夕方。用事を済ませて、あとは家に帰るだけって心持ちでぶらぶら歩くのが好きなんですよ。
●2007.5.6 読売新聞 日曜版で岡崎武志さん登場
カフェ、古着屋「複合型」が人気
「古本屋さんにいると、心が解放されるんです。そう、温泉に漬かっているみたいに」。そう語るのは、『気まぐれ古書店紀行』など古本関係の著作が多い岡崎武志さん。「古本ライター」の肩書も持つ。…「昔は古本屋といえば、無愛想、汚い、暗い、というイメージ。女性は近づかなかった。それが古着も古本も同列に扱うオシャレな店が次々できて、女性が集まるように。ずいぶん変わりました」…
●DESIGN BOX 02 BOOK(2006年11月)に紹介
石丸澄子氏のタイトルロゴは古書店彷徨の気ままでスローな時間感覚を表現していて、あわただしい現実のなかにいる読者をなごませてくれる。…カバーには、著者のサインスペースがとってある。このしかけは、著者と読者の距離を埋めるすぐれたアイデアだ。
●岡崎武志さん、毎日新聞で読書体験を語る
孤独なんて怖くない
マンガにも奥行きのある質の高い作品は多く、後に文学に関心を持つきっかけになったものもあった。だから長女が本ではなくマンガ好きなことも否定しないし、声高に読書のすすめを説くこともしない。「ただ、映像やマンガと違って、活字は自分自身がその世界に没入しないといけない。そうでないと一人で作家と向き合えない。だから本があれば孤独なんて怖くなくなります」(第52回学校読書調査記事より)
●2006.10月 ガーデンリビング 丸の内知的散歩BOOKコーナーに岡崎さん執筆
本を読むのは不便な行為
…インターネットと携帯電話の普及は、人間を急速に便利至上主義に向かわせている。便利になれ過ぎると、今度は不便なところに、いかに人間の感性が働くかは、人類の発明史や文化史が証明している。読書は、そんな便利至上主義を食い止める最後の砦かもしれない。なんて大げさに言っているが、じつは本を読むのが好きで好きで、ただやめられないのにすぎないんだけどね。
※「ガーデンリビング」は10/20〜29の日比谷公園ガーデニングショーと丸の内仲通りガーデニングショーにちなんで、丸の内周辺に配付されます。
●週刊新潮 岡崎さんインタビュー
2006.10.5号(4回シリーズvol.3) とっておき私の京都 大銀食堂
…「衣食住は、費用も時間も極力切り詰め、古本購入に全精力と資金を投入する。妻子を抱える現在も続く生活スタイルの基本が、この京都在住時代に出来上がりました(笑)」…
●
2006.10.12号(4回シリーズvol.4) とっておき私の京都 ディラン2
…「古本」をキーワードとする著作や書評で知られる岡崎さんだが、十代の頃は、当時の若者を席捲したフォークソングに滅法のめり込み、高校入学祝いに買ってもらったギターを弾き鳴らす日々を送った。そして何を隠そう、「ディラン2」のマスターは岡崎さんの実弟なのである。…
●月刊言語 2006.10月号 臼田捷治氏の連載「装幀の風景」
帯は主張する 添え物ではない存在感
…帯の果たす役割への期待度が高まるとともに、その帯が通常サイズをはるかに超す大きさをもつものも最近よく目にするようになってきた。古書探索の達人、岡崎武志が全国の古書店行脚を軽妙な筆致で綴った『気まぐれ古書店紀行』はまさにそう。標準の倍はあるだろう。しかも、表紙・カバーが1色刷りなのに、帯は4色刷りで存在感がより際だつ。また、装画・書名レタリングは石丸澄子であるが、著者直筆の4コマ漫画2本が帯とカバーの折り返し内側部分を飾っている。ともにユーモア感覚にあふれ、本書の持ち味を十全に引き立てている。
●週刊新潮 2006.9.28号 岡崎さんインタビュー(4回シリーズvol.2)
とっておき私の京都 アスタルテ書房
…店名は西アジアの豊饒の神を意味する。命名者は生田耕筰氏だ。一冊一冊、店主が長年にわたり吟味して集めたコレクションを見回して、岡崎さんがこう呟く。「呼応してくれる選ばれし人たちに分かってもらえればいいというスタイルが、潔いですね」…
●2006.9.12 毎日新聞 本のウチソト裏表 鷲尾賢也氏(講談社顧問)
元気な古書の世界 掘り出しものに感激 関連本も次々出版
…最近、「均一小僧の全国漫遊“脱力随筆”」というサブタイトルのついた『気まぐれ古書店紀行』を刊行した岡崎武志は、目下売り出しのひとりだ。彼は徹底した雑本探し。全国津々浦々の古本屋を訪ね、主として500円以下という均一本の中から探しだす名人! 主に昭和30年代の軟派系随筆新書の収集に熱を上げている。しかし、次のような掘り出し物に会うと、こんな風になる。
「幸田成友随筆集『番傘・風呂敷・書物』(書物展望社・昭和14年・初版・函やや痛ミ)が、いったい幾らだと思いなさるかな? ワッハッハッハ(いま、書きながら本当に笑ってしまいました)400円!」。釣った魚がいかに大きかったかという無邪気な自慢がつい出てしまう。…
●週刊新潮 2006.9.21号 岡崎さんインタビュー(4回シリーズ)
とっておき私の京都 下鴨神社糺の森
…京都の三大まつり——といえば、通常、祇園祭、葵祭、時代祭を指す。が、岡崎さんは、「僕らにとっては、この夏の下鴨神社に、春の観業館みやこめっせ、秋の百万遍の知恩院で行われる古本まつりを意味します」と苦笑する。「中でもここは、炎天下、原生林が鬱蒼と茂る神域で行なわれるという設定に圧倒されます」。 …
●週刊新潮 2006.8.17-24合併号 読む見る聴く 夏休みお薦めガイド
川本三郎氏が『気まぐれ古書店紀行』をベスト5に
古本エッセーの第一人者岡崎武志さんは全国各地の古本屋を歩く。均一台にある百円ぐらいの廉価本のなかに価値を見つけ出す宝探しは氏の独壇場。
●2006.7.2 世界日報
「均一小僧」の全国探書漫遊記
…それにしても古書マニアの性(さが)というのはどうしようもないといえよう。著者は、この探書ツアーに家族を巻き込んで、妻と娘を家族旅行と称して古書店参りをしている。いじましいというか何というか、同好の士にとっては身につまされる話である。…思わずほろりとしてしまうが、そんな家族のアットホームな感じも悪くない。
…
●2006.6.28 朝日新聞 be Extraにて大沢在昌氏、推薦
日本全国の古書店をたずねて
…都内各地のほか、東北や九州にも足をのばし、店の特徴や、入手した古書を紹介。著者の手書きの書き込みがユニーク! 巻末には掲載された古書店のデータも収録されている。「とにかく古書を愛する著者の思いが伝染してくる。読中、読後と、神保町に通ってしまった」
●
2006.6.27 公明新聞
川本三郎の青いインキに言葉を乗せて 17
古本エッセイで知られる岡崎武志さんは、子供時代を天神橋筋商店街の五丁目(略して『天五』)で過ごしたという。新著『気まぐれ古書店紀行』のなかで、この町は驚くべきことに、自分が育った昭和三十年代後半とほとんど町が変わっていないと書いている。
●いける本・いけない本 第4号(2006 春)
中嶋廣氏(トランスビュー)の【いける本】
…あまりにも楽しそうで、途中から妬ましくなるほど。この人の文章の良さは、大阪のくだけぶりに東京のシャイをまぶしたような(うーん、ちがうな)。…
※「いける本・いけない本」は書店に通う読書人のための冊子(ムダの会発行/トランスビュー発送/非売品)
●2006.6.25 Sunday世界日報
“得意”は店先の均一値の本
…東京・秋葉原の電気街は苦手。ものの数分滞在しただけで、疲れてしまう。それでも一隅に古本屋を探し出した。著者の古書店巡りに終わりはない。
●JAカード機関誌GREEN PAL 2006年夏号で紹介
「話題の本を担当編集者に聞く」より
古本のような新刊、これが本書の特徴の一つ。なにしろ本文中には、著者自身の書き込みが多数ある。「パリ本のタイトルには秀逸なものが多い」とか「予感的中!二人は夫婦に」など、蘊蓄や裏話、ボケと突っ込みが達者なイラストと共に書き込まれている。…文庫や新書ではなく、単行本のカタチでしかできないことは何かを突き詰めた結果の工夫である。
●2006.6.2 日刊ゲンダイ 川本三郎氏 書評
…今日もぶらぶら日本各地の古書店を歩く。はじめての町に行っても名所旧跡などには見向きもせず、小さな古書店を見つけては飛び込む。しかも古典や名著より雑書をあさる。お目当ては100円本が並ぶ均一台というから愉快。貧書生の喜びにあふれている。
●週刊ポスト 2006.6.9号 川本三郎氏 書評
異端という気取りもない、庭いじり感覚の古本探し
…岡崎さんは、はじめての町に着いても名所旧蹟など見向きもしない。観光には興味がない。目ざすはひたすら町の古本屋。徹底している。
どんな本を探すのか。名著や古典にはほとんど興味がない。人気作家も敬遠。手に取るのももっぱら渋めの本。
純文学なら上林暁や藤沢桓夫。ユーモア作家も大好きで、いまやすっかり忘れられている奥野他見男の本を集めているというから驚く。昭和二十年代に出版された「ユーモア小説全集」(東成社)にも目がゆく。変わっている。
といっても正統より異端という気取りはない。古老が庭いじりを楽しむようにただただ古本の世界に浸る。いわば無償の愛。のんきな道楽。
…忘れられた本、見向きもされなくなった本を丹念に探し、集めてくる。いわば落穂拾いだが、いつのまにか民間のみごとな書誌になっている。
●2006.5.8 公明新聞 坂崎重盛氏 書評
全国の古書店を誌上訪問できる醍醐味
この本の装丁・装画は岡崎武志本でおなじみの石丸澄子さん。このコンビもピタっと息が合って、いい感じの脱力系の本の姿になっている。著者の、自分でボケて自分でツッコミを入れる関西系ならではの、ほのぼのとした(死語だ)笑いも取る文章を楽しんでいると『彷書月刊』の五月号が送られてきた。その特集が「岡崎武志古本道場」。…
ところで私は、この『気まぐれ古書店紀行』を、昨今まれなる上質のユーモア私小説として堪能した。そして、なぜ文芸編集者はこの人に小説(のようなものでも可)の依頼をしないのだろう、と不思議に思ってしまう。
●週刊読書人 2006.4.21号 南陀楼綾繁 書評
“矜持”を持って 自らの気分を基準に 本そのものと向き合う
…本書には「気まぐれ」な雰囲気が横溢しているが、これはデタラメ、いい加減ということでは決してない。この書名は、洲之内徹のエッセイ『気まぐれ美術館』から拝借したというが、美術愛好家としての洲之内がそうであったように、岡崎は、その本の市場価値や学術的な評価といった既成のモノサシにしたがうのではなく、自らの気分を基準として、本そのものと向き合っている。…
●2006.3.19 朝日新聞 加藤千洋氏 書評
古本の虫 日本全国を飛び回る
…単に店構えや掘り出したものの紹介にとどまらず、個性あふれる店主との対話や、店を探し当てるまでの町歩きでの体験も、これまた愉快。そして「駅前にあったあの店が」といった名店が惜しまれて看板を下ろし、目録やネット活用の新しい売り方が増え、カフェや酒場と一体になったニューウエーブ店の出現といった業界事情もさりげなく紹介されている。…
散歩の極意というか醍醐味は何も持たずにぶらつくことだろうが、この1冊を持参して春の街に繰り出すのも悪くない。古書店で収穫を得て、喫茶店で一服するのもまた楽しからずやだ。
●散歩の達人 2006.4月号
町歩きと古書漁りのミックスエッセイ
…著者の岡崎武志さんは、元国語教師で現在は書評を中心に活躍しているライター兼編集者。幼い娘を店外に置き去りにしたまま古書を漁る本の鬼だ。…この本には著者による“書き込み”が随所にあるのだ。なんとも奇抜で心憎い趣向だ。ウンチクのようなコメントも書評家らしく気が利いている。たぶん、読んでいるのは本の中身だけではなく、本の中に潜んでいる様々な人間たちなのだろう。
●2006.3.12 読売新聞「記者が選ぶ」書評
…本の面白さは、内容だけではない。装丁、帯あり、挿絵あり。古本の場合は、裏表紙の見返しの部分に貼る古書店のシールの楽しさもある。それを微に入り細にわたりつづる。本を探す時、左の棚から攻めるか、右から攻めるかで対立があり、「古書展などでは左翼と右翼でよく肩がかちあう」との逸話から、苦労の末ようやく手に入れた直後、もう1冊、同じ本を見つけるという古書巡りの神秘的体験など、エピソードも満載だ。 …
●週刊文春 2006.3.9号 紀田順一郎氏書評
古書店から透視する本の世界の奥行き
…だれにでも書けるという本ではない。一人の本好きが最近の八年間に全国三百数十軒の古本屋を精力的に探訪し、その生態を活写していくという過程で、本の楽しさ、奥行きの深さを感じさせる仕掛けだ。
たとえば、あのミレニアム騒動のあった2000年元旦、著者はあきらめ顔の家族を尻目に、埼玉県川越市の「坂井ぎやまん堂」を訪れる。以前に「大晦日も元旦も店を開けてます」という手紙をもらっていたからだ。…連載時点では二人の息子がいて、後顧の憂いなしとあるが、その後主人が亡くなり、店は閉じられたままという補注がある。本書はいたるところに、こうした注が手書きで挿入されているが、インターネットのブログなんかよりも、よほどアクチュアリティーがある。…
自ずと現代の風俗、文化状況までが浮かびあがるという、端倪すべからざる読書人の記録なのである。
●2006.3.5 東京新聞 出久根達郎氏書評
「均一小僧」の全国本探し
…古本だけは、自分の足で歩いて店をのぞくに限る。いわゆる掘り出し物は、居ながらにしては決して見つけられない。大抵の古本屋の店頭には、均一コーナーが設けられている。百円、二百円の安価本である。この台を丹念に眺める客は、ホンモノの古本好きである。…著者は自らを「均一小僧」と称している。この称は安物買いの卑下ではない。ホンモノの本好きであるという自負である。…
それにしてもだ(著者の真似)、小学一年の娘さんを連れて古本屋へ行く。おやじが夢中になっているシリーズを娘さんが見つける。おやじはどの巻が不所持か、わからぬ。娘さんが傍らから、それはある、無い、あると指示する。帰宅して確かめると、娘さんの言う通りだった。「わが娘は、確実に『均一児童』の道を歩んでおります」。泣かせる!
本探しに全国を駆け回る内容だが、実は本を商う店のありさまと主人を紹介しているのである。浮世離れした商売ぶり。これが「均一」より面白い。変といえば、本書には随処に書き込みがある。新刊なのに。
●論座 2003.4月号 坪内祐三氏連載「雑読系」紹介
編集者魂に火がついた
ついに一冊にまとまったのか。
…『彷書月刊』の読者として、私は、こういう連載があれば良いのにな、と常々思っていた。都内及びその近郊には、ごく普通の町であっても(いや、ごく普通の町であればこそ)、地元の人たちが愛用している古本屋がまだまだ残っているはずだ。やがてはなくなってしまうだろう、そういう普通の古本屋を今のうちに一軒一軒紹介していく連載。しかも、その店を紹介することで、その町の雰囲気も描いていく連載。
…その時、私は、岡崎さんという人材に出会ったのである。…この人がかなりの古本及び古本屋的感受性に恵まれた人であることを見抜いていた。独特のユーモアもあるし人当たりも良い。フットワークも軽い。まさに、あの連載のために神が出会わせてくれたような人材だ。…ツボウチユウゾウの編集者魂に火がついた。というより、岡崎さんの「気まぐれ古書店紀行」を猛烈に読みたい。と思って、『彷書月刊』編集長の田村治芳さんに、連載の提案をしたのだ。
…『気まぐれ古書店紀行』には100本近い探訪記が収録されている。気まぐれどころか、きわめて網羅的な一冊である。5年、10年、20年と時が経つにつれて、この本の真価はますます輝いていくことになるだろう。記念誌的な作品だと思う。
●2006.3.5 北海道新聞 岡崎さんインタビュー
本と人の出会い重ね
…店の様子や蔵書の紹介が主だが、本書の魅力はそれだけではない。ご当地の名物を味わったり、店と客のやりとりに耳を澄ましたり。リズミカルな文体も手伝って、すいすいと読み進むうちに、岡崎さんといっしょに見知らぬ街を歩いている気分になる。…
庄野潤三、ブローディガン、洲之内徹…。ひいきの書き手の話になると、少年のように目を輝かせる。原点に、愛読する作家の本を探して古書店めぐりをした学生時代がある。「映画を見て、本屋を回って。忙しくはなりましたが、基本は同じですね」。ひょうひょうとした語り口は、肩の力を抜いた文章の持ち味にも通じていた。
●サンデー毎日 2006.3.12号 書評
古本屋の特価本漁りが得意な古本ライターが、北は札幌から南は熊本まで“お宝”求めて古書店を駆け巡る。これはその8年分の連載をまとめる。家族旅行でも行く先は古書店。その無償の道楽をユーモラスに書きつづる。著者による書き込みも楽しい。
●編集会議 2006.4月号 書評
『編集会議』2月号にも登場した岡崎武志氏。その岡崎氏の『彷書月刊』(彷徨舎刊)での8年間分の連載がまとまった集大成本。古書の話題はもちろん、家族の物語やライター稼業の一喜一憂なども盛り込まれ、岡崎氏のキャラクターが浮き彫りになった1冊。
●編集会議 2006.2月号 岡崎さんインタビュー
WHOSE DESK?
「パソコンと椅子の上以外、全部古本」という、岡崎さんの書斎の写真とともに、近刊『気まぐれ古書店紀行』への想いが語られています。
「工作舎さんといえば松岡正剛さんの、あの『遊』の出版社ですから、なんかやってくれるだろうと期待してたら、来ましたよ、面白い提案が。古本って、時々、線引いてあったり、書き込みとかあるじゃないですか。あれをね、著者であるぼく自身がやるんです。で、そのぼくの手書きの書き込みも含めて印刷してしまうというね。これは、画期的な本ですよ」