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サレ・エ・ペペ 塩と胡椒[詳細]

目次著者紹介関連図書関連情報書評



人はなぜ「本物の料理」を求めるのか。

人は食べる。いつも食べる。
だが「食べる」とは、過去の自分が食べてきたものを、個人的に想い出すことである。
と同時にそれは、歴史によって形成され準備されてきた体験でもある。
ぶっかけ飯や缶詰をどうとらえるか。肉食とは、野草食とは何なのか。
そもそも日本人にとって、「国民料理」とは何なのか。
食材や料理のなかには「見えない政治」が働いている──。
「執筆で忙しいときに作る、ものすごく簡単な料理一覧」では、
著者のとっておきレシピを初公開。




■目次

I

「日本料理」への懐疑
「日本料理」の虚偽と神話
料理の真正性とは何か
料理の復元
知らないものを食べる
ツバメの巣と盆菜料理
国民料理とは何か
肉食について
野草を食べる

四方田犬彦が執筆で忙しいときに作る、ものすごく簡単な料理一覧

II

偶景
ぶっかけ飯
缶詰の思い出
韓国の食べ物への信頼
三人の女性
台所にいることの悦び



■著者紹介

四方田犬彦 (よもた・いぬひこ)

1953年、大阪箕面に生まれる。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を学ぶ。長らく明治学院大学教授として映画学を講じ、コロンビア大学、ボローニャ大学、テルアヴィヴ大学、清華大学、中央大学(ソウル)などで客員教授・客員研究員を歴任。
『月島物語』(集英社、1992)で斎藤緑雨賞、『映画史への招待』(岩波書店、1998)でサントリー学芸賞、『モロッコ流謫』(新潮社、2000)で伊藤整文学賞、『日本のマラーノ文学』『翻訳と雑神』(人文書院、2007)で桑原武夫学芸賞、『ルイス・ブニュエル』(作品社、2013)で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
工作舎からは、『書物の灰燼に抗して』(工作舎、2011)、『親鸞への接近』(工作舎、2018)、『女王の肖像』(工作舎201)などを刊行。
2023年刊行の本では、『大泉黒石』(岩波書店)がALL REVIEWSで、『いまだ人生を語らず』(白水社)が朝日新聞で書評され、話題を呼んでいる。




■関連図書(表示価格は税別)

  • 『女王の肖像』 定価 本体2500円+税
  • 『親鸞への接近』 定価 本体3000円+税
  • 『書物の灰燼に抗して』 定価 本体2600円+税
  • 『歳月の鉛』 定価 本体2400円+税
  • 『月島物語ふたたび』 定価 本体2500円+税



  • ■関連情報

    2023年11月4日(土) シネマハウス大塚 にて
    四方田犬彦『サレ・エ・ペペ 塩と胡椒』出版記念
    特別講座と出版サイン会『映画と食の政治学』開催

    『サレ・エ・ペペ 塩と胡椒』

    11月4日15時30分受付開始。
    講座16時から17時半。その後Q&Aとサイン会
    【講座概容】
    小津安二郎『お茶漬けの味』妻に隠れてそっと食べる、味噌汁ぶっかけ飯。
    李櫻(リ・イン)(『靖国』の監督)『味」文革と料理の復興の困難
    ブニュエル「自由の幻想」の食事と排泄が逆転した社会
    パゾリーニ『デカメロン』中世の禁欲的な豆だけの食卓
    フェリーニ「サチュリコン」のローマの大宴会

    【緊急】現下のパレスチナ情勢を鑑み「緊急事態のガザをめぐり、パレスチナの詩人ダルウィーシュを朗読する」もプログラムに追加。パレスチナの状況についても語ります。

    イベントは終了しました。



    ■書評

    2024.1.10 「ALE&BOOKS」松本ブルワリー・勝山拓海さん(クラフトビールの奈良醸造サイト)
    ……「本物志向」は時として批判的なまなざしを向けられもします。大衆消費文化へのアンチテーゼとしての側面をクラフトビールが持つように。著者が提起する「真正性」への疑問は、クラフトビールにも当てはまるのかもしれません。……

    2024.1.12 週刊読書人 林浩平氏(詩人・文芸評論家)
    ドクサを解体し食欲を刺激する一冊
    食という、生存のために基本的行為をめぐる生政治学的問題

    「…なべて口唇を経由するものは嘘をつくことができない。歌謡と料理がその典型である。(略)政治権力と経済的な富裕が上方から人々を支配し、ナショナリズムを鼓舞するとき、音楽と食生活は下方から人々を突き動かし、無意識のうちに呪縛してしまう。」ロラン・バルトに学んだひとりとして、著者は身体性に信を置き、ドクサ(世間の通念)を解体するのである。…






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