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SPT 03[詳細]

目次執筆者バックナンバー


特集 レパートリー〜記憶の継承と更新




■目次より

表紙     表紙の言葉  大竹伸朗
インタビュー 狂言というレパートリー  野村萬斎
論考     「レパートリーの創造」の行方  松井憲太郎
レパートリー的なるもの
論考     幻想のレペルトワール  小林康夫
インタビュー 表現のレパートリーをめぐって  大竹伸朗
対談     文楽誌と生命誌  豊竹咲甫大夫×中村桂子
対談     身体・記憶・レパートリー  小池博史×港 千尋
記憶装置としての演劇
インタビュー 地域の伝統とレパートリー  ペーター・ゲスナー
インタビュー 俳優に演劇的記憶を託す  栗山民也
インタビュー 誤解から生まれるレパートリー  宮沢章夫
対談     レパートリーの有効性  坂手洋二×鐘下辰男
論考     現代演劇におけるレパートリーの形成  扇田昭彦
レパートリーの彼方に
インタビュー こめかみに張り付いた作品たち  天児牛大
インタビュー 伝統の演出・現代の演出  結城孫三郎
インタビュー レパートリーは「記憶の目録」  エリック・ヴィニエ
論考     否定と破壊から生まれる境界なき創造について  石井達朗
ブックレビュー レパートリーの抜け道  岡崎武志
戯曲     現代能楽集3『鵺/NUE』第二稿  作・演出 宮沢章夫                        /劇中劇・作 清水邦夫




■執筆者紹介 (五十音順/所属・役職は刊行時のもの)

天児牛大(あまがつ・うしお)
1949年神奈川県生まれ。舞踏家、演出家。75年に山海塾を創設。80年には初となる世界ツアーを敢行。81年からはパリ市立劇場を拠点に活動。以後、隔年で新作を発表。独創性の高い作品は国際的に高く評価されている。04年に平成15年度芸術選奨文部科学大臣賞を舞踊部門にて受賞。05年には、初期の記念碑的作品『金柑少年』のリ・クリエーション(再創作)による新機軸を展開。

石井達朗(いしい・たつろう)
1943年生まれ。舞踏評論家、慶応義塾大学教授。慶応義塾大学大学院研究科修士課程修了。ダンス、サーカス、セクシュアリティ、映画、身体文化など、その研究対象は多岐にわたる。主な著作は『異装のセクシュアリティ』『アクロバットとダンス』『アジア、旅と身体のコスモス』『身体の臨界点』など。06年には「トヨタコレオグラフィーアワード」の審査員を担当。

エリック・ヴィニエ(Eric Vigner)
演出家、ブルターニュ国立演劇センター芸術監督。主な演出作品は『ジャングルの獣』『町人貴族』など。06年7月には世界屈指の舞台芸術祭、アビニヨン・フェスティバルにて、マルグリット・デュラス原作『夏の雨』と『ヒロシマ私の恋人』をベースにした作品 Pluie d'ete a Hiroshima を上演(渡部篤郎出演)。

大竹伸朗(おおたけ・しんろう)
1955年東京生まれ。美術家。絵画、立体作品、コラージュ、印刷物。パフォーマンス(音)、絵本、写真、エッセイなどで幅広く活動。画集、著書は『SO:大竹伸朗の仕事 1955-91』『既にそこにあるもの』『UK77』など多数。90年より愛媛県宇和島市に在住。06年10月には東京都現代美術館にて大回顧展「大竹伸朗 全景 1995-2006」を開催。

岡崎武志(おかざき・たけし)
1957年大阪生まれ。ライター・編集者。立命館大学卒業。『朝日新聞』『サンデー毎日』などに書評連載。古本ミニコミ誌『SUMUS』同人。著書は『古本極楽ガイド』『古本でお散歩』『古本病のかかり方』『気まぐれ古書店紀行』、角田光代との共著『古本道場』など。現在、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ」に出演中(隔週)。

鐘下辰男(かねした・たつお)
1964年北海道生まれ。劇作家・演出家。劇団青年座研究所を経て、87年に演劇企画集団THE・ガジラを創立。同年発表の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・京都』でジェルスサーキットグランプリを受賞。また第5回読売演劇大賞の大賞・最優秀演出家賞を『PW』『温室の前』『仮釈放』『どん底』の4作品で受賞。主な作品は『死の棘』『ヒカルヒト』『ひかりごけ』など。

栗山民也(くりやま・たみや)
1953年生まれ。演出家。早稲田大学文学部卒業。商業演劇からオペラの演出まで幅広く活躍。00年7月より新国立劇場演劇部門芸術監督に就任。05年4月には新国立劇場演劇研究所所長に就任。主な演出作品に『阿国』『獅子を飼う』『GHETTO/ゲットー』『エヴァ、帰りのない旅』など。新国立劇場オペラにて『夕鶴』『蝶々夫人』を演出。01年からは近松門左衛門賞選考委員も務める。

小池博史(こいけ・ひろし)
1956年茨城県生まれ。劇作家、演出家、振付家、写真家。一橋大学社会学部卒業。テレビディレクターを経て、82年パパ・タラフマラを設立。以来、全作品の作、演出、構成を手がけて、国内外で高い評価を獲得。95年にはパパ・タラフマラ舞台芸術研究所(P.A.I)の開校により後進の育成にも貢献。06年9月には自身も出演する新作『僕の青空』を上演。現在、多摩美術大学非常勤講師。

小林康夫(こばやし・やすお)
1950年東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。東京大学大学院比較文学比較文化課程修了。後にパリ大学に留学。電気通信大学助教授、東京大学助教授を経て現職に至る。著書は『起源と根源』『光のオペラ』『哲学の木』『表象の光学』など多数。また、ミシェル・フーコー、ジャック・デリダ、ジャン=フランソワ・リオタール、マルグリット・デュラスなどの翻訳も手掛ける(共訳含む)。

坂手洋二(さかて・ようじ)
1962年岡山県生まれ。劇作家、演出家、俳優。慶応義塾大学文学部国文学科卒。83年に燐光群を旗揚げし、91年『ブレスレス—ゴミ袋を呼吸する夜の物語』で岸田國士戯曲賞を、99年『天皇と接吻』で読売演劇大賞最優秀演出家賞・優秀作品賞を、02年『屋根裏』で読売文学賞をそれぞれ受賞。日本劇作家協会会長。

扇田昭彦(せんだ・あきひこ)
1940年東京生まれ。演劇評論家、国際演劇評論家協会(AICT)日本センター会長。東京大学文学部卒業。朝日新聞入社後、学芸部記者、編集委員として活躍。現在、静岡文化芸術大学文化政策学部特任教授。現代演劇評論の第一人者であり、『日本の現代演劇』『劇談』『舞台は語る』『才能の森』などの著書がある。

豊竹咲甫大夫(とよたけ・さきほだゆう)
1975年大阪生まれ。人形浄瑠璃文楽座・大夫。83年に豊竹咲大夫に師事、咲甫大夫を名乗る。86年の素浄瑠璃の会『傾城阿波の鳴門』が初舞台。以後、舞台を中心に精力的に活躍。また、執筆活動、テレビ出演を通じて文楽の認知度の向上に尽力。05年、『現代草子 伊曽保物語』では素浄瑠璃とメディア・テクノロジーのコラボレーションによって新境地を開拓。

中村桂子(なかむら・けいこ)
1936年東京生まれ。理学博士、JT生命誌研究館館長。東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻博士課程修了。93年にJT生命誌研究館を創設、副館長に就任。02年より現職。著書は『生命誌の扉をひらく』『生命科学者ノート』『ゲノムが語る生命—新しい知の創出』など。文楽への造詣も深い。

野村萬斎(のむら・まんさい)
1966年生まれ。狂言師。世田谷パブリックシアター芸術監督。野村万作の長男。文化庁芸術祭新人賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞等を受賞。古典の舞台はもとより『まちがいの狂言』など狂言の技法を駆使した舞台を演出・出演したほか、舞台『子午線の祀り』『ハムレット』、映画『陰陽師』など舞台、映画に出演するなど幅広く活躍。05年9月に芸術監督就任後初の演出作品『敦』を上演、紀伊國屋演劇賞、朝日舞台芸術賞を受賞。

ペーター・ゲスナー(Peter Goessner)
1962年旧東ドイツ生まれ。演出家。ライプツィヒ大学にて演劇学修士を取得。後に来日。93年より北九州に在住。翌年、北九州演劇実行委員会委員に就任(94年〜02年)。95年」に劇団うずめ劇場を旗揚げし、00年『紙風船』で第1回利賀演出家コンクール最優秀演出家賞、01年に北九州市市民文化奨励賞、05年に(財)創生奨学会奨励賞をそれぞれ受賞。現在、桐朋学園短期大学演劇専攻科専任講師。

松井憲太郎(まつい・けんたろう)
1956年生まれ。プロデューサー、演劇批評。80年代、劇団黒テント在籍中に制作者、批評家として活動を開始。89年から世田谷パブリックシアターの計画づくりに参画し、現在はプログラム・ディレクターとして公演および学芸プログラムの企画立案を統括する。

港千尋(みなと・ちひろ)
1960年神奈川県生まれ。写真家。早稲田大学政治経済学部政治経済学科卒業。奨学金を得て南米に渡り、写真家として活動を開始。85年から約10年間パリを拠点に写真と評論で活躍。著書は『記憶』『群衆論』『瞬間の山』『影絵の戦い』など。視覚メディア、テクノロジーなど幅広い観点から人間と映像の関係を研究する映像人類学に取り組んでいる。現在、多摩美術大学美術学部教授。

宮沢章夫(みやざわ・あきお)
1956年静岡県生まれ。劇作家、演出家、作家。多摩美術大学美術学部建築科中退。大学在学中は放送作家や演劇ユニットで活動。90年に遊園地再生事業団を旗揚げし、93年に『ヒネミ』で岸田國士戯曲賞を受賞。99年の『サーチエンジン・システムクラッシュ』は芥川賞候補となる。現在、早稲田大学文学部客員教授。06年11月にはシアタートラムで現代能楽集3『鵺/NUE』を上演。

結城孫三郎(ゆうき・まごさぶろう)
1943年東京生まれ。結城座座長、人形遣い。幼少より日舞、歌舞伎、能、狂言を学び、10代目・結城孫三郎より人形遣いを習得。72年に三代目・両川船遊を襲名後は写し絵師としても活躍。93年より12代目・結城孫三郎を襲名。以後、約370年に及ぶ長い伝統を持つ結城座を牽引する。96年、文部科学省「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」に選定。






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