星投げびと[詳細]
私の人生を変えた一冊……レイ・ブラッドベリ
アイズリー博士は、なにかのはずみで考古学者に、人類学者に、そして博物学者になってしまった。しかし、彼は科学者、芸術家、医者、法律家等々にならんとするまえに、まず、ひとりの人間たらんと願っていた。ほかのどの動物たちも得意な「分野」などもたないのだから。彼は著書をとおして、ひとつの問いを投げかける。「物理学や天文学、生物学その他の科学の領域における最新の発見によって、人間の自身についての個人的、もしくは集合的概念にどれほどの違いが生じるのだろう?」その答えは、ごくわずか、だと私は信じている。……W・H・オーデン(序文より)
■目次より |
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一 自然と自伝
1 鳥たちの裁判2 長い孤独
3 惑星を一変させた花
4 無邪気な子ギツネ
5 守護霊
6 鳥と機械
7 火の猿
8 イースター——顔の島
9 蛙のダンス——アルバート・ドライヤー老/科学者の正体/春の夜道/黒手袋
10 隠れた教師——知恵の力/自然
11 五番目の惑星——星のハンター/希望/偉大なる計画/奇妙な影響/消滅
12 最後のネアンデルタール人——心/先祖返り/意思
二 科学とヒューマニズム
13 星投げびと——コスタベルの浜辺/髑髏/孤独な使命/虹14 科学と聖なる感覚——記憶の化石/畏怖/旅人
15 人間の冬
16 人間対宇宙——衝撃/ふたつの哲学/明日
17 自然へのソローのまなざし——コンコードヤマネコ/地水火風/永遠の目
18 ウォールデン——放浪者/心の跡/文明の鉄則
19 「自然」はどれほど自然か——マスクラット/知恵と倫理/奇跡の隠し味/緑の島
20 内なる銀河——本物の芝居/人間の顔/カモメと木箱
■関連図書(表示価格は税別) |
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■書評 |
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●2021.12.18 テレビドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」
主人公の中学受験塾講師・黒木が、個人的に運営している無料塾の名が「スターフィッシュ」。最終話で「スターフィッシュ」が、ローレン・アイズリーの『星投げびと』に由来すると明かされます。
ドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」公式サイト
*原作の高瀬志帆の漫画作品(ビッグコミックス)でも第13巻に言及あり。
●2019.4.19 東京新聞コラム「筆洗」
浜辺に打上げられたヒトデを海に投げ返している女の子の話が綴られました。大量のヒトデを返すのは無理でも、「たまたま手に取られ、海に戻ったヒトデにとっては生きるか死ぬか、大きな違いがある」と。
「ヒトデは英語でスターフィッシュ。そこから「星を投げる人」という題名がついている。オリジナルは米国の自然科学者、ローレン・アイズリーのエッセーだそうだが、内容を子ども向きに変えて、米国で語り継がれている」
●2017.7.11 日本経済新聞夕刊 橋爪大三郎氏
「「星を投げる人」の話をしよう。
この話を最初に聞いたのは、アメリカのある教会の説教でのこと。もう何年も前である。牧師はこんなふうに話した。
《朝、いつものように海岸を散歩していると、ひとりの少年が何やら、海に向かって投げている。「何してるんだい?」「ヒトデを投げているのさ」。見ると、見渡す限り無数のヒトデが打ち上げられている。やがて死んでしまうだろう。「こんなにたくさんいるのに、何の足しにもなないよ」。少年は、ヒトデをもうひとつ拾いあげた。「でもこのヒトデには、大きな違いだと思うよ」…》」こちらもどうぞ
●『ことし読む本いち押しガイド2003』 いしいしんじ氏(作家)紹介
「ひとびとのことばが、詩のようにひびかないはずはありません」
●2002.1.13 朝日新聞・新妻昭夫氏書評
「科学者の思索は絶望の果てに…」
●週刊朝日2/1号 布施英利氏書評
「砂浜のヒトデ、一枚の落葉に宇宙を感じるナチュラリストが招くもう一つの文明」 全文再録>>>