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■TRONプロジェクト基礎講座-3 

◎TRONはオープンアーキテクチュア

TVでも「トロンは無料で使える」と紹介されていて、「ひとつ1円でもお金をもらっておけば、坂村先生は億万長者になっていたかも」と言われたりしましたが、ここの部分は追加説明が必要かもしれません。
TRONでは坂村先生の研究室や協力企業とで共同研究を行い(いわゆる産学協同プロジェクト、「官」は入っていませんよ)、その成果を「仕様書」にまとめ、公開します。
そしてこの仕様書に基づいて、全世界の企業あるいは個人、団体が自由に製品を作ることができます。TRONプロジェクト側は出来上がった製品に対し、代価を求めることもないですし、企業がそれでビジネスをしようが構いません。好きにやってくださいというスタンスです。TVの表現では、何か「トロン」という一つのOSがあって、それが無料で使えるという風に思った方もいるかもしれませんが、そうではないのです。

例えば自動車を例に取りましょう。日本車ならハンドルは前席右側にあり、アクセルやブレーキの位置、操作方法はどこのメーカーのものでも基本的に同じです。もしこれが統一されていなければ、自動車産業はここまで発展したでしょうか? トヨタ車の運転方法とホンダ車の運転方法が違い、使えるガソリンも違っていたら?
元になる仕様書はひとつ、でもそこから生まれた製品は複数あってよく、多様性がありつつも基本的なルールは統一されている。それがTRONが掲げる「オープンアーキテクチュア」という発想です。スーパー301条を使って、TRONが非関税障壁だとしたアメリカの主張がいかに理不尽なものだったかが理解できるでしょう。

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CONTENTS
◎はじめに
◎理想のコンピュータ社会を迎えるために
◎TRONにもいろいろある
◎TRONSHOW、T-Engine、BTRON Club

超漢字情報TRON LINK工作舎のTRON関連図書:『超漢字超解説』『TiPO PLUS究極活用術』
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