◎TRONにもいろいろある
もうひとつ、TVが説明を省いていた点があります。実はTRONには、対象領域によっていろいろ種類があるということです。
ざっと挙げてみると、
ITRON
BTRON
CTRON
JTRON
eTRON
などがあり、それぞれ異なる仕様になっています。このうち、「教育用パソコン」として採用されかかったのがBTRONで、携帯電話や家電に多く利用されているのがITRONになります。
BTRONは主にパソコン用のOS(の仕様)として華々しく登場し、各メーカーがこぞって試作モデルを発表し、「これぞ未来のコンピュータ」として期待されました。しかし不運にも、広く普及することは(今のところ)かなわなかったのですが、パーソナルメディア株式会社から、BTRON仕様に準拠した「超漢字」シリーズが発売されています。TVの最後の方で、ノートパソコン上で動いていたOSがこれでして、放送終了後から同社のホームページにはアクセスが殺到しました。これを機に、一人でも多くの方がBTRONの存在を知り、できれば実際に使っていただければうれしいです(筆者も「超漢字」のユーザーです)。
一方のITRONは、パソコン用ではなく携帯電話、デジタルカメラ、家電製品、各種制御デバイス、果ては人工衛星にまで使われている「組み込み用」OSの仕様です。TVではスタジオに、ITRONを使った製品がズラリと並んでいましたが、まだまだ他にも使われています。
「コンピュータが身の周りのあらゆるモノの中に入りこむ時代」が現実となった今、ITRONは「T-Engine」へと発展し、TRONの最終目標である「超機能分散システム」の実現を目論んでいます。