『漁師はなぜ、海を向いて住むのか?』、
10/7 北海道新聞書評
漁村の復興計画に示唆
…昨年3月11日に発生した東日本大震災における漁港や漁村の甚大な津波被害をうけ、各被災地では漁村地域の復興が勧められている。しかし、復興スピードは遅く、震災直後から水産業の復興をめぐり、水産業復興特区、漁港集約化、集落移転などに関して、漁村地域とは遠いところで議論が続いた。私は被災地へ行き復興の仕事をする中で、浜で聞いたのは共通して「一日も早く漁港を復旧して元の漁業をやりたい」という願いだった。
復興を進める上で、各漁村地域の漁業、生活、産業等の被災前後の実態を受け止め、地域の人が望む将来の姿を具体的な形にするという地域を主体とした復興の視点が求められる。本書はそのような視点を取り入れた漁村の地域計画論と計画策定やその実現に示唆を与えるものと期待される。
また著者は、漁港や漁村地域の社会的、文化的、環境的な役割を示すとともに、地域に存在する自然エネルギーの価値や、「島守り」は「国守り」であるという国防面での島や漁村地域の重要性にも言及している。まさに現在日本で直面し議論されている自然エネルギーの利用や国境監視における漁村地域の役割と利点を10年以上前から提唱していたことがわかる。…
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