10月の新刊 四方田犬彦
『サレ・エ・ペペ 塩と胡椒』
10月の新刊は、批評家・四方田犬彦さんの 『サレ・エ・ペペ 塩と胡椒』 。 映画、文学、漫画、演劇など幅広い文化現象をめぐって、学問的著作から身辺雑記をめぐるエッセイまでを執筆してきた四方田さんによる料理論集です。
人はなぜ「本物の料理」を求めるのか。
なぜ知らない料理を食べたいと思うのか。
「食べる」とは生理的な行為だけではなく、歴史がつくりあげてきた体験であり、
料理のなかには「見えない政治」が働いていることを浮き彫りにする
痛快無比の料理論集。
本書は批評的な側面だけでなく、ノスタルジックな食の記憶をめぐるエッセイ集の側面ももっています。温又柔『魯肉飯のさえずり』のハッカク、小津安二郎『お茶漬けの味』の味噌汁ぶっかけ飯、赤瀬川原平のアート作品「宇宙の缶詰」についてなど、独自の視点のエッセイの数々も読みごたえがあります。
四六判上製、定価 本体2800円+税。10月下旬発売予定。
■目次
I
「日本料理」への懐疑「日本料理」の虚偽と神話
料理の真正性とは何か
料理の復元
知らないものを食べる
ツバメの巣と盆菜料理
国民料理とは何か
肉食について
野草を食べる
四方田犬彦が執筆で忙しいときに作る、ものすごく簡単な料理一覧
II
偶景ぶっかけ飯
缶詰の思い出
韓国の食べ物への信頼
三人の女性
台所にいることの悦び
■イベント情報
2023年11月4日(土) シネマハウス大塚 にて
四方田犬彦『サレ・エ・ペペ 塩と胡椒』出版記念
特別講座と出版サイン会『映画と食の政治学』開催
11月4日15時30分受付開始。
講座16時から17時半。その後Q&Aとサイン会
【講座概容】
小津安二郎『お茶漬けの味』妻に隠れてそっと食べる、味噌汁ぶっかけ飯。
李櫻(リ・イン)(『靖国』の監督)『味」文革と料理の復興の困難
ブニュエル「自由の幻想」の食事と排泄が逆転した社会
パゾリーニ『デカメロン』中世の禁欲的な豆だけの食卓
フェリーニ「サチュリコン」のローマの大宴会
【緊急!】現下のパレスチナ情勢を鑑み「緊急事態のガザをめぐり、パレスチナの詩人ダルウィーシュを朗読する」もプログラムに追加。パレスチナの状況についても語ります。
【講座参加料金】2,000円(消費税込み)【参加人数】50名
【予約】info@cinemahouseotsuka.com (定員に達し次第締め切り)
担当 後藤和夫 ご質問も同じメールで。