●本の散歩 08
古本好きの甘い水
♪青い空からサツの束が降って とろり昼寝の頬っぺたを叩く
五両 十両 百両に千両
つかい切れずに目がさめた
昭和6年に製作された映画の主題歌「ルンペン節」の一節です。
古本が空から降ってきて顔にあたれば痛いですが。蛇口をひねって古本が溢れてきたらと夢想したりします。喉が渇いて飲む水が美味しいように、疲れていてもひょっこり古本屋の看板や古書展の幟をみつけると、スイッチが換わり、俄然元気がでてきます。古本好きにとっての甘い水…ですか。
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