批評王[詳細]
ロジック&レトリックの技
私の考える批評とは、
単なる分析とも価値判断とも違う。
批評対象との遭遇体験がトリガーとなって思考が起動し、
文章そのものがそれについて考えるプロセスを
トレースするような、言語で構成された
ロジックとレトリックの交叉体のことである。
何よりもそれはまず第一に、
ただそれだけを読んでも面白いものでなければならない。
■目次 |
▲ |
第1章:批評の絶体絶命
[思想]先生、それって何の役に立つんですか? 有用性[思想]美味しいという字は美の味と書くのだが、 B級グルメ
[文芸]リトルピープルよりレワニワを! 村上春樹『1Q84 BOOK1/BOOK2』
[思想]弱い接続と別の切断
東浩紀『弱いつながり:検索ワードを探す旅』、
千葉雅也『別のしかたで:ツィッター哲学』
[思想]「例外社会」の例外性 笠井潔『例外社会:神的暴力と階級/文化/群衆』
[文芸]小松左京のニッポンの思想 小松左京
[文芸]「人間原理」の究極 グレッグ・イーガン『万物理論』
[思想]ヤンキー論は、なぜ不可能なのか?
斎藤環『世界が土曜の夜の夢なら:ヤンキーと精神分析』
[思想・音楽]グルーヴ・トーン・アトモスフィア
柄谷行人/イエロー・マジック・オーケストラ
第2章 批評の丁々発止
[音楽]偏見と偏愛の平成Jポップ10選 平成Jポップ[音楽]「音楽に何ができるか」と問う必要などまったくない 復興ソング
[音楽]「歌」の「禁」など不可能である 竹中労制作『日本禁歌集1〜5』
[音楽]発生としての歌 矢野顕子
[音楽]幸宏さんについて私が思っている二、三の事柄 高橋幸宏
[音楽]「ひとり」が「みんな」になる方法 蓮沼執太
[映画]映画の野蛮について:
イエジー・スコリモフスキ監督『エッセンシャル・キリング』/
アッバス・キアロスタミ監督『ライク・サムワン・イン・ラブ』/
北野武監督『アウトレイジ ビヨンド/
真利子哲也監督『ディストラクション・ベイビーズ』/
大森立嗣監督『タロウのバカ』
[映画]タイムマシンとしての映画 映画の原理
[音楽]パラレルワールド・ライナーノート:
リリー・アレン『イッツ・ノット・ミー、イッツ・ユー』/
ニール・ヤング『フォーク・イン・ザ・ロード』/
グリーン・デイ『21世紀のブレイクダウン』/
エミネム『リラプス』/マックスウェル『“ブラック”サマーズナイト』
第3章 批評の虚々実々
[映画]永遠のミスキャスト ペ・ドゥナ[映画]Our Empty Pages 山下敦弘監督『マイ・バック・ページ』
[映画]映画は記憶を記録する ジョナス・メカス
[音楽]の唯名論 プリンス
[音楽]カメラ vs. 峯田和伸 銀杏BOYZ DVD『愛地獄 劇場版』
[文芸・映画]「小説」の「映画」化とは何か?:
村上春樹「納屋を焼く」/イ・チャンドン監督『バーニング 劇場版』
吉本ばなな「白河夜船」/若木信吾監督『白河夜船』
[文芸]SOS団はもう解散している 涼宮ハルヒ
[コミック]ふたつの時間の交叉点 岡崎京子『リバーズ・エッジ』
[演劇・映画]「ロボット」と/の『演劇』について:
平田オリザ演出・青年団/大阪大学&ATR石黒浩特別研究室『さようならVer.2』
『三人姉妹』、想田和弘監督『演劇1』『演劇2』
第4章 批評の右往左往
[音楽]ひとりの大音楽家 山本精一[音楽]「思考する声」の歌姫 やくしまるえつこ
[音楽]キング・アンド・ボブ・アンド・ミー キング・クリムゾン
[音楽]Vaporwaveについて、私は(ほぼ)何も知らない:
ネガティヴランド、ザ・ケアテイカー/V/Vm/ジョン・オズワルド/
タエコ・オーヌキ/ヴェイパーウェイヴ
[映画]激突と遭遇 スティーヴン・スピルバーグ監督『激突!』『未知との遭遇』
[映画]ストーリーテラーとしてのダルデンヌ兄弟
ダルデンヌ兄弟『午後8時の訪問者』
[文芸]「日常の謎」の原理 倉知淳『夜届く:猫丸先輩の推測』
[文芸・映画]ふたつの『トレインスポッティング』:
アーヴィン・ウェルシュ『トレインスポッティング』/
ダニー・ボイル監督『トレインスポッティング』
[文芸]善行にかんするエスキス
アントニオ・タブッキ『供述によるとペレイラは……』
[文芸]美しい日本語 石川淳
[文芸・映画]「詩」の映写 松本圭二
第5章 批評の荒唐無稽
[音楽]うたっている男 グルパリ[音楽]ホースにおける笑いの生成について HOSE
[アート]お気づきになった話
core of bells 連続イベント「怪物さんと退屈くんの12ヵ月:01お気づきだっただろうか?」
[音楽]「四分三三秒」のための約一五時間からの約一万字
ジョン・ケージ「4分33秒」
[音楽]アンビエントの再発明 Aphex Twin『Selected Ambient Works Volume II』
[音楽]コード・デコード・エンコード 空間現代『Palm』
[文芸]詩人の新(しい)書 吉増剛造『我が詩的自伝:素手で焔をつかみとれ!』
[文芸]ミステリー化どうかはどうでもいい 一條次郎『レプリカたちの夜』
[アート]フィクションがヘコヒョンなら、リアルは何?
カワイオカムラ「コロンボス」
[アート]視線の幽霊 長沢秀之「未来の幽霊─長沢秀之展─」
第6章 批評の反射神経
[文芸] 朝井リョウ『桐島、部活やめるってよ』[文芸] 角田光代『八日目の蟬』
[文芸] 伊坂幸太郎『PK』
[文芸] 村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
[文芸] 阿部和重・伊坂幸太郎『キャプテンサンダーボルト』
[文芸] ミシェル・ウエルベック『地図と領土』
[文芸] 山下澄人『ギッちょん』
[文芸] J・M・クッツェー『サマータイム、青年時代、少年時代:辺境からの三つの〈自伝〉』
[文芸] ローラン・ビネ『HHhH:プラハ、1942年』
[文芸] ロベルト・ボラーニョ『売女の人殺し:ボラーニョ・コレクション』
[文芸] 山下澄人『ルンタ』
[文芸] 森達也『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい:正義という共同幻想がもたらす本当の危機』
[文芸] 栗原裕一郎・豊﨑由美『石原慎太郎を読んでみた』
[文芸] 石原慎太郎『やや暴力的に』
[文芸] 千葉雅也『動きすぎてはいけない:ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』
[文芸] 多和田葉子『献灯使』
[文芸] 江健三郎『晩年様式集(イン・レイト・スタイル)』
[文芸] 大澤聡『批評メディア論:戦前期日本の論壇と文壇』
[文芸] 保坂和志『朝露通信』
批評王の追伸
初出一覧
佐々木敦 著作一覧
■関連図書(表示価格は税別) |
▲ |
■関連情報 |
▲ |
●購入特典
『「批評王」の省察──佐々木敦、全著作を語る。』
単著、共著、責任編集を含めて全42冊の著作を、佐々木氏自らが一冊ずつ詳細に解説。ブックガイドにして、「批評王」の“キセキ”をたどることができる超充実オリジナル・ブックレット!
四六判変型/トレーシングペーパー+厚紙表紙/本文12ページ/2色刷り/中綴じミシン製本
*数に限りがありますので、なくなり次第終了とさせていただきます。
*対象店舗・ウェブサイト以外での配布はございません。ご了承ください。
● 2020.8.16-10.15 紀伊國屋書店新宿本店 『批評王』先行発売
&刊行記念フェア〈「批評王」佐々木敦のキセキ〉
特典付『批評王』を特別販売。2Fでは佐々木さんのこれまでの著作約30点がズラリと並び、特典『「批評王」の省察』からのコメントPOPが添えられました。右は9/24に参上した佐々木さん。
● 2020.8.25-10.4 ジュンク堂書店池袋本店
『批評王』刊行記念フェア〈「批評王」佐々木敦祭〉
特典付『批評王』を特別販売。3Fエスカレーター脇の好立地に、佐々木さんの著作が集まりました。右は9/24に参上した佐々木さん。
● 2020.8.28- 東京堂書店神田神保町店 『批評王』刊行記念フェア
特典付『批評王』を特別販売。3Fにて佐々木さんの著書をはじめ、最近の読書、解説を担当した本、これまで批評した書物たちが参集。右は9/24に参上した佐々木さん。
● 2020.9.19 下北沢・本屋B&B 佐々木敦×矢野利裕 トークイベント
「何もかも論じ(ようとし)た男」
『批評王:終わりなき思考のレッスン』(工作舎)
『絶体絶命文芸時評』(書肆侃侃房)W刊行記念
限定10名の店内参加者を迎え、オンライン配信にて開催。矢野さんは、第57回群像新人文学賞評論部門優秀作を受賞された新進気鋭の批評家であり、かつ佐々木さんの批評家養成ギブスでの教え子とあって、話題は尽きず、吉本隆明や小林秀雄にも言及。充実した批評トークが繰り広げられました。
● 2020.9.14−9.17 TOKYO FM「未来授業」に出演
“批評と表現の未来”についてを語り尽くす。収録時の写真紹介。
● 2020.10.23 批評王の配信 佐々木敦『批評王』刊行記念ソロトーク
『批評王:終わりなき思考のレッスン』に収録された全テクストを、工作舎のオフィスより、著者の佐々木敦さんが生解説。山本さほさんのキュートなTシャツを着た佐々木さんが、2時間半超たっぷり語りつくしました。アーカイブはこちら。
ALL RIGHTS RESERVED. © 工作舎 kousakusha |