ルネサンス・バロックのブックガイド[詳細]
想像力の百花繚乱
占星術、錬金術、魔術、イコノロジー、記憶術、博物学、驚異の部屋、
印刷術、キリシタン、澁澤龍彦…
ヘルメスの図書館に集う50名をこえる執筆者が150冊余を紹介
■目次 |
▲ |
第1部 交錯する知の伝統と芸術
1・1●はじめに
1 根占献一『ルネサンス精神への旅』(創文社) 坂本邦暢2 伊藤博明『ルネサンスの神秘思想』(講談社学術文庫) アダム・タカハシ
3 ヒロ・ヒライ=編『ミクロコスモス』(月曜社) ヒロ・ヒライ
4 ヒロ・ヒライ+小澤実=編『知のミクロコスモス』(中央公論新社) ヒロ・ヒライ
1・2●古典的な研究
1 カッシーラー『個と宇宙』(名古屋大学出版会)『認識問題1』(みすず書房)『英国のプラトン・ルネサンス』(工作舎) 根占献一2 ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』(ちくま学芸文庫) アダム・タカハシ
3 クリバンスキー他『土星とメランコリー』(晶文社) 福西亮輔
4 ウィント『ルネサンスの異教秘儀』(晶文社) 根占献一
5 ウォーカー『古代神学』(平凡社)関大輔
1・3●『ヴァールブルク著作集』から
1 ヴァールブルク『サンドロ・ボッティチェッリの《ウェヌスの誕生》と《春》』(ありな書房) 豊岡愛美2 ヴァールブルク『デューラーの古代性とスキファノイア宮の国際的占星術』(ありな書房) 森山陽介
3 ヴァールブルク『ルターの時代の言葉と図像における異教的=古代的予言』(ありな書房) 加藤喜之
4 ヴァールブルク『ムネモシュネ・アトラス』(ありな書房) 桑木野幸司
1・4●イコノロジーとアート
1 パノフスキー『イデア』(平凡社ライブラリー) 岡北一考2 パノフスキー『イコノロジー研究』(ちくま学芸文庫) 岡北一考
3 シャステル『ルネサンス精神の深層』(平凡社) 関大輔
4 伊藤博明『ヘルメスとシビュラのイコノロジー』(ありな書房) 根占献一
5 カルターリ『西欧古代神話図像大鑑』(八坂書房) 大橋喜之
6 グラフトン『アルベルティ』(白水社) 岡北一考
7 ウィトカウアー『アレゴリーとシンボル』(平凡社) 栗田秀法
8 ザクスル『シンボルの遺産』(ちくま学芸文庫) 岡北一考
9 ポンセ『ボッティチェリ《プリマヴェラ》の謎』(勁草書房) 豊岡愛美
1・5●イエイツ
1 イエイツ『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』(工作舎) ヒロ・ヒライ2 イエイツ『魔術的ルネサンス』(晶文社) 鏡リュウジ
3 イエイツ『世界劇場』(晶文社) 北村紗衣
4 イエイツ『十六世紀フランスのアカデミー』(平凡社) 久保田静香
5 イエイツ『薔薇十字の覚醒』(工作舎) 熊谷友里
1・6●記憶術
1 ロッシ『普遍の鍵』(国書刊行会) 加藤聡2 イエイツ『記憶術』(水声社) 桑木野幸司
3 カラザース『記憶術と書物』(工作舎)鈴木喜晴
4 ボルツォーニ『記憶の部屋』(ありな書房) 桑木野幸司
5 カミッロ『劇場のイデア』(ありな書房) 森口昌茂
6 桑木野幸司『叡智の建築家』(中央公論美術出版) 加藤聡
1・7●エンブレムとインプレーザ、寓意文学
1 アルチャーティ『エンブレム集』(ありな書房) 田邊まどか2 デイリー=監修『エンブレムの宇宙』(ありな書房) 栗田秀法
3 プラーツ『綺想主義研究』(ありな書房) 田邊まどか
4 伊藤博明『綺想の表象学(ありな書房) 桑木野幸司
第2部 隠された叡智
2・1●魔術
1 ウォーカー『ルネサンスの魔術思想』(平凡社) 関大輔2 ゴドウィン『交響するイコン』(平凡社) 銅金裕司
3 フレンチ『ジョン・ディー』(平凡社) 木村洋平
4 クリアーノ『ルネサンスのエロスと魔術』(工作舎) 奥山史亮
5 平野隆文『魔女の法廷』(岩波書店) 井上周平
6 『ピカトリクス』(八坂書房) 大橋喜之
2・2●天球の音楽
1 ヘニンガー『天球の音楽』(平凡社) 中西恭子2 ケプラー『宇宙の調和』『宇宙の神秘』『新天文学』(工作舎) 鏡リュウジ
3 名須川学『デカルトにおける〈比例〉思想の研究』(哲学書房) 斉藤基史
2・3●占星術
1 グラフトン『カルダーノのコスモス』(勁草書房) 榎本恵美子2 榎本恵美子『天才カルダーノの肖像』(勁草書房) 坂本邦暢
3 テスター『西洋占星術の歴史』(恒星社厚生閣) 山本啓二
4 トロッテン『ウェヌスの子どもたち』(ありな書房) 関大輔
2・4●予言
1 リーヴス『中世の預言とその影響』(八坂書房) 鈴木喜晴2 樺山紘一+村上陽一郎+高田勇=編『ノストラダムスとルネサンス』(岩波書店) ヒロ・ヒライ
3 ブースマ『ギヨーム・ポステル』(法政大学出版局) 小澤実
4 水野千依『イメージの地層』(名古屋大学出版会) 小澤実
2・5●錬金術・キミア
1 ディーバス『近代錬金術の歴史』(平凡社) ヒロ・ヒライ2 ドブズ『ニュートンの錬金術』(平凡社)、『錬金術師ニュートン』(みすず書房) ヒロ・ヒライ
3 プリンチーペ『錬金術の秘密』(勁草書房) ヒロ・ヒライ
2・6●パラケルスス
1 パラケルスス『奇蹟の医書』『奇蹟の医の糧』(工作舎) 村瀬天出夫2 ゴルトアンマー『パラケルスス』(みすず書房) 村瀬天出夫
3 コイレ『パラケルススとその周辺』(白馬書房/書肆風の薔薇) 村瀬天出夫
4 菊地原洋平『パラケルススと魔術的ルネサンス』(勁草書房) 村瀬天出夫
第3部 爛熟する自然の鏡
3・1●博物学とコレクション
1 マンデヴィル『東方旅行記』(平凡社) 菊地原洋平2 アシュトン『奇怪動物百科』(博品社) 菊地原洋平
3 ラウファー『キリン伝来考』(博品社) 菊地原洋平
4 アーバー『近代植物学の起源』(八坂書房) 菊地原洋平
5 ポミアン『コレクション』(平凡社) 菊地原洋平
6 フィンドレン『自然の占有』(ありな書房) 菊地原洋平
3・2●怪物・グロテスク・驚異の部屋
1 伊藤進『怪物のルネサンス』(河出書房新社) 小澤実2 シャステル『グロテスクの系譜』(ちくま学芸文庫) 熊谷友里
3 原研二『グロテスクの部屋』(作品社) 望月由美子
3・3●ルドルフ二世と宮廷文化
1 エヴァンズ『魔術の帝国』(ちくま学芸文庫) ヒロ・ヒライ2 カウフマン『綺想の帝国』(工作舎) 住田朋久
3・4●キルヒャーとバロック
1 ゴドウィン『キルヒャーの世界図鑑』(工作舎) 井上亨2 キルヒャー『普遍音楽』(工作舎) ヒロ・ヒライ
3 エヴァンズ『バロックの王国』(慶應義塾大学出版会) 皆川卓
3・5●自然と科学
1 フィッシャー『ゲスナー』(博品社) 井上周平2 ロッシ『魔術から科学へ』(みすず書房) 柴田和宏
3 ディーバス『ルネサンスの自然観』(サイエンス社) 柴田和宏
4 ウェブスター『パラケルススからニュートンへ』(平凡社) 柴田和宏
5 プリンチーペ『科学革命』(丸善出版) 山田俊弘
6 シェイピン+シャッファー『リヴァイアサンと空気ポンプ 』(名古屋大学出版会) 中澤聡
3・6●ライプニッツ
1 エイトン『ライプニッツの普遍計画』(工作舎) 三浦準暉2 『ライプニッツ著作集』(工作舎) 池田真治
3 佐々木能章『ライプニッツ術』(工作舎) 三浦準暉
4 山田俊弘『ジオコスモスの変容』(勁草書房) 紺野正武
第4部 テクスト・言語・信仰のひろがり
4・1●テクスト・書物・印刷
1 レイノルズ+ウィルソン『古典の継承者たち』(国文社) 中西恭子2 グラフトン『テクストの擁護者たち』(勁草書房) ヒロ・ヒライ
3 宮下志朗『本の都市リヨン』(晶文社) 久保田静香
4 ペティグリー『印刷という革命』(白水社) 加藤聡
5 コリー『パラドクシア・エピデミカ』(白水社) 福西亮輔
6 ブレア『情報爆発』(中央公論新社) 加藤聡
4・2●普遍言語とバベルの塔
1 ノウルソン『英仏普遍言語計画』(工作舎) 久保田静香2 エーコ『完全言語の探求』(平凡社ライブラリー) 久保田静香
3 バーク『近世ヨーロッパの言語と社会』(岩波書店) 久保田静香
4・3●宗教・神学・異端
1 ユング『メランヒトンとその時代』(知泉書館) 加藤喜之2 森田安一『木版画を読む』(山川出版社) 井上周平
3 アザール『ヨーロッパ精神の危機』(法政大学出版局) 加藤喜之
4 ギンズブルグ『チーズとうじ虫』(みすず書房) 福西亮輔
5 ショーレム『ユダヤ神秘主義』『カバラとその象徴的表現』(法政大学出版局) 山本伸一
4・4●キリシタンと日本
1 根占献一『イタリアルネサンスとアジア日本』(知泉書館) 折井善果2 折井善果『キリシタン文学における日欧文化比較』(教文館) 平岡隆二
3 平岡隆二『南蛮系宇宙論の原点的研究』(花書院) 紺野正武
4 フロイス『完訳フロイス日本史』(中公文庫) 成田佐奈恵
5 プルースト『16-18世紀ヨーロッパ像』(岩波書店) 折井善果
6 スクリーチ『江戸の身体を開く』(作品社) 西貝怜
4・5●原典
1 池上俊一=監修『原典イタリア・ルネサンス人文主義』(名古屋大学出版会) 根占献一2 エラスムス『痴愚神礼讃』(中公文庫) 田邊まどか
3 カルダーノ『わが人生の書』(現代教養文庫) 榎本恵美子
4 フィチーノ『恋の形而上学』『ピレボス注解』(国文社) 豊岡愛美
5 ピコ『人間の尊厳について』(国文社) 小藤朋保
6 ブルーノ『ジョルダーノ・ブルーノ著作集』(東信堂) アダム・タカハシ
4・6●小説・戯曲
1 エーコ『薔薇の名前』(東京創元社) 橘昭成2 ゲーテ『ファウスト』(岩波文庫) 橘昭成
3 ユルスナール『黒の過程』(白水社) 奥村大介
4・7●澁澤龍彦
1 澁澤龍彦『夢の宇宙誌』(河出文庫) 渡邊利道2 澁澤龍彦『胡桃の中の世界』(河出文庫) りべか
■関連図書(表示価格は税別) |
▲ |
■関連情報 |
▲ |
●2023.3.18-5.21 町田市立国際版画美術館
「自然という書物 15〜19世紀のナチュラルヒストリー&アート」展
15世紀から19世紀までの西洋のナチュラルヒストリー(自然誌/博物学)とアート(美術/技芸)のつながりに注目し、人間が表してきた自然のすがた・かたち(画像)を紹介する展覧会。キルヒャーの「地下世界」などの版画も展示されます。
『ルネサンス・バロックのブックガイド』の監修者ヒロ・ヒライさんのスペシャルトーク、執筆者の桑木野幸司さんの記念講演会が開催されます。
・2023.4.1(土)22:00-22:30
スペシャルトーク「BHチャンネル×版美―YouTube生配信!!」
出演:
ヒロ・ヒライ(BHチャンネル主催、ルネサンス学)
橋本麻里(エディター、金沢工業大学客員教授)
山本貴光(文筆家、ゲーム作家)
藤村拓也(本展担当学芸員)
・2023.5.13(土)14:00-15:30 記念講演会
講師:桑木野幸司(大阪大学文学研究科教授)
会場:講堂/先着60名/要本展観覧券(半券可)
●2019.11.24 『機関精神史』二号
ヒロ・ヒライさんインタヴューほか
高山宏氏の思想を受け継ぐ学魔的同人誌『機関精神史』二号特集「観念史の破壊」巻頭にヒロ・ヒライさんインタヴュー「魂のゆくえ――BHのマザーシップ・コネクション」が掲載され、『ルネサンス・バロックのブックガイド』について随所で言及されます。
二号には『ブックガイド』刊行記念イベントでご登壇いただいた山本貴光さんへのインタヴュー「山本貴光の宇宙――百学のコペルニクス的転向(ロックンロール)」、執筆者の奥村大介さんの論考「結晶の観念史」も収録。
2019年11月24日(日)の第29回文学フリマ東京(ブース:ニ-19)で販売。
●2019.11 桑木野幸司さん、サントリー学芸賞受賞
執筆者の大阪大学文学研究科准教授・桑木野幸司さんが『ルネサンス庭園の精神史』(白水社)にて、第41回 サントリー学芸賞(芸術・文学)を受賞されました。おめでとうございます。
●2019.4.25-10.31 ジュンク堂書店池袋本店
立教大学文学部書店
執筆者のキリスト教学科准教授・加藤喜之先生が『ルネサンス・バロックのブックガイド』を挙げてくださいました。史学科教授の小澤実先生の選書も必見。>>>
●2019.3.9 ジュンク堂書店池袋本店
ヒロ・ヒライさん×山本貴光さんトークイベント
本書刊行記念のトークイベント開催。満員御礼。 >>>
●2018.12.12-2019.2.15 クラウドファンディング
「良書を次世代にも伝えたい。印刷革命から魔術・錬金術までの知のコスモス、『ルネサンス・バロックのブックガイド』出版プロジェクト」と題して、グリーンファンディングにて販促のためのクラウドファンディングを行いました。おかげさまで予想を遥かに超えて大成功。結果はこちらへ >>>
リターンのトートバッグ。薔薇十字の見えない学院(左)とケプラーの宇宙模型図の2種
■書評 |
▲ |
●2019.5.11 栗田秀法さんエッセイ「THE BODY―身体の宇宙―」
執筆者の名古屋大学教授・栗田秀法先生が町田市立国際版画美術館で開催中の「THE BODY―身体の宇宙―」展をめぐるエッセイで『ルネサンス・バロックのブックガイド』に言及してくださいました。ウェサリウスの解剖図に絡めて
「多彩な解剖図を見るにつけ、客観的な機械論的、唯物論的な解剖図が生まれるまでには大きな紆余曲折があったことがわかる。この時代が依然として天体のマクロコスモスと人体のミクロコスモスの照応関係を背景にした魔術的な世界観が多かれ少なかれ生きていた時代であったことを思い起こせば当然なのではあるが(この時代の芸術・科学についてはヒロ・ヒライ編『ルネサンス・バロックのブックガイド』工作舎、が格好の手引きになるであろう)、一連の解剖図の幻想性の一端は、解剖図もまた「驚異の部屋」よろしく創造神の驚異の御業を確認し、称えることにあり、類似の発想が18世紀においても強く残存していたことは『神聖自然学』(1732-37、no.58)の奇妙な挿絵からもうかがわれる」
[全文はときの忘れものへ]
●2019.4.20 図書新聞 黒川宗之進氏書評
最良・最適の「ブック」ガイド
専門領域に留まらずに、「本と本」という〈点〉から
「本から本へ」という〈線〉へつなげていってほしい
「…読者には、本書から知の体系、つながりを学んでいってほしい。書物は一冊に収まらないのだ。専門領域に留まらず、本から本へ移動すること——非常に古典的なインプット方法かもしれないが、読書の楽しさ、知的欲求の根源はやはりそこにある…」
」[全文は図書新聞公式サイトへ]
●2019.3.10 読売新聞 紹介
「…中世の魔術的・怪物的な知が、近代の理性に取って代わられるまでの変遷を様々な角度から眺めることができる。良書を次世代に伝えたいという思いにあふれた1冊」[全文は読売新聞公式サイトへ]