新・文學入門[詳細]
岡崎——なぜそんなに古本屋にこだわるのか、
街に出れば大きな新刊書店もたくさんあるのに、
なぜ小さな古本屋さんにそこまでこだわるのか、
そのへんのところからどうですか。
山本——たしかに古本屋さんの間口は狭く、
小さな店が多いけど、
そのなかは、ほんと、ひとつの宇宙になっているということです。
そこに毎日のように飛び込んで本を探すのは、
よい小説を読んだときの感動が、
こころの底にあるからだと思う。
■目次より |
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【中入】出会えてうれしかった古本20冊
文學漫談その二…絶版文庫による文學入門・上 1988・95年
【中入】古本屋で探したい文庫リスト
文學漫談その三…絶版文庫による文學入門・下 2001・03・05年
【中入】文庫で味わう新・文學10冊
文學漫談その四…新・随筆入門
【中入】出会えて夢中になった随筆本20冊
文學漫談その五…新・詩集入門
【中入】出会えて感激した詩集20冊
文學漫談その六…新・文學全集を立ちあげる
【付録】岡崎武志・山本善行=責任監修 「気まぐれ日本文學全集」全60巻構想
全ラインナップと写真 >>>
「気まぐれ日本文學全集」20『上林暁』 目次案(山本善行=編)
写真=望月 研
■関連図書(表示価格は税別) |
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■関連情報 |
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●2008.9.12〜10.14 青山BC本店でフェア
青山ブックセンター本店人文書コーナーにて『新・文學入門』フェア開催。『新・文學入門』からセレクトした約150点もの小説や随筆が並んだ。これはジュンク堂書店京都BAL店フェア以来の大規模展開。そして9/9配本の岡崎さん著『雑談王』(晶文社刊行)をはじめ、お二人の著書を中心とした古本エッセイや、お二人が選んだ古本を各50冊販売し、大好評。表参道は古本とは縁遠いような印象があるが、すぐ近くには中村書店、タツミ堂書店、古書日月堂などの優れた古本屋が店を構える立地。中目黒や恵比寿のアート系古書店も含めた、オリジナルの渋谷Co-SHOTEN MAPを配布(終了)。
青山BC本店
2008.9.12〜1ヶ月間 人文書コーナー
*[ABC本店フェアの様子+フェア出品古本リスト]
●東京でもフェア&トークセッション
東京でも続々フェアが開催された。三省堂書店神保町本店4Fで、6/21〜1ヶ月間フェアを開催。岡崎さんと山本さんが選んだ古書も販売し、さらに装画を手掛けた石丸澄子さんの新・文學イラストの招布と原画も展示。また、7/5には山本さんが京都から上京され、岡崎さんとお二人によるトークセッションも大盛況。その夜は、高円寺コクテイルに場所を移し、ライブ対談。また、6/25からのリブロ池袋店フェア、7/7からの紀伊國屋書店新宿本店フェアも開催されました。
三省堂書店神保町本店
2008.6.21〜1ヶ月間 4Fレジ前
トークセッション:「新・文學入門 古本十番勝負」 岡崎武志と山本善行
2008.7.5(土) 14:00〜16:00 8F特設会場
お問い合わせ:03-3233-3312
*[7/5 三省堂書店神保町本店トークセッションの様子他]
高円寺 古本酒場コクテイル
岡崎武志と山本善行 ライブ対談
2008.7.5(土) 19:00開場 19:30開始
チャージ:1,000円
リブロ池袋店
2008.6.25〜1ヶ月間 B1F
紀伊國屋書店新宿本店
2008.7.7〜1ヶ月間 5F 昭和の文學フェア
*[紀伊國屋書店新宿本店フェアの様子]
●京都で大規模フェア&サイン会
ジュンク堂書店京都BAL店では、本書の発売前にもかかわらず6月1日から1ヶ月、200点もの関連本を集めて大々的にフェアを開催。岡崎さんと山本さんが選んだ古本も並び、大人気。6/21には、二人揃ってのサイン会が行われた。
ジュンク堂書店京都BAL店
フェア 2008.6.1〜6.30 5Fフェアスペース
サイン会 2008.6.21(土)17:00〜 8F特設会場 終了
*[ジュンク堂書店京都BAL店フェア&サイン会の様子]
●2008.6.22 神戸・海文堂書店にてトーク&サイン会
神戸元町の海文堂書店では、6/22に岡崎さんと山本さんを迎えてのトーク&サイン会を開催。海文堂書店といえば、古本イベントが活発に開かれ、古本好きの集まる新刊書店として知られている。『新・文學入門』は50部限定で用意。
海文堂書店
2008.6.22(日)15:00〜
トーク&サイン会
*[海文堂トーク&サイン会他、関西イベントの様子]
●その他関西フェア情報
ジュンク堂書店大阪本店でも、6月下旬から『新・文學入門』発売記念フェア開催。
山本さんの常設古本棚がある、京都・ガケ書房では、『新・文學入門』発売に合わせて古本本フェア開催。
■書評 |
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●2009.1月号 本の雑誌「読者が選んだベスト1」の一冊に
…古本入門に始まり、小説、随筆、詩集と対談は進み、最後には架空の企画として「気まぐれ日本文學全集」全60巻の構想をねり、実際に著者と編者のリストまで考えてしまいます。そして、このリストが実に面白く、山名文夫(装幀集)、小津安二郎(『東京物語』全カット、シナリオ収録)、山本健吉(文庫解説集)、現代名作漫才集など、通常なら文學全集に入ることの考えられないような人や内容が次々と挙げられていきます。…そんな本と文学への愛情に満ち溢れた本書が、今年のベスト1です。
●2008.11月号 SMスナイパー
古本で良書を味わう自由な文学案内
古本エッセーの多くは、もともと喉から手が出るほど欲しい本を探すということを前提にしているから、その本の内容がいかにすばらしいかということは省きがちである。本書は「新文学案内」という表題からもわかるように、現在新刊書店ではお目にかかれない良書の内容にまで踏み込んで、なぜ必死になってまで捜し続けなければならないのか、という点をこれでもかとばかりに語り尽くす。…
●2008.9.5付 週刊読書人 向井透史氏書評
ひとつの奇跡が実現 新しい楽しみとしての文学を語る
やはりそれはひとつの奇跡と言ってよいのではないか。… 圧巻は最終章の『気まぐれ日本文學全集』全60巻構想の発表だろう。同様の企画は今までにもあったろうが、これほど遊びに満ちたものはなかった。足立巻一、鮎川信夫、久保田二郎、由良君美、花森安治なんて名前が入っているのだから痛快だ。収録ものに工夫があるものもあり、山本健吉の「文庫解説集」なんてのはよほどの読書人じゃないと思いつかないだろう。ただ奇をてらっているだけに見えるかもしれないが、きちんと現在の生きた古書価や人気をおさえているのはさすが。信頼できる情報というのは、常に自分で歩き、見て、体験したものであろう。この本に並ぶ本たちは全て著者二人が長い年月をかけて、自分の人生に重ねるように集めてきたものばかりである。一般人には関係のない権威とは逆の、生活を基軸とした「楽しみの文學」のはじまりである。…
●Sanpo magazine 2008年夏号 西川昌宏氏書評
全ジャンル文学入門
…大阪・四天王寺と京都・知恩寺の青空古本市最終日の“名物古本詰め放題”等の上方風(そこまでやるかあ!)の笑える古本入門にはじまり、1988年(「BRACKET」第5号)から2005年(「彷書月刊」1月号)までの過去の対談も採録した「絶版文庫による文學入門」へと続く。新刊書界と最新古本事情の両方に睨みをきかせることになるのは、「品切れ、絶版になれば古本、やっと僕らの領域に入ってきた」(岡崎)ことになるからだ。こうして、たとえば、講談社文芸文庫を最後の砦として、かろうじて消え残っている小説家が話題に上ってくることになるわけだ。甲鳥書林、第一藝文社、臼井書房、文童社など、五山の伝統に連なる(いまはなき)京都の小出版社の本の探求に絡めて、小説ばかりではなく、随筆、詩集までを加えた、かつて文庫になった作品を中心とした全ジャンル文学入門が実現されてしまったのである。…
Sanpo magazineは2008年夏創刊した大阪発のミニコミ。
●2008.8.18 産経新聞 文化欄記事
独自感覚で名著を選ぶ
おびただしい数の新刊、古書を読破した末に世に隠れた作家や本にも目を配った新タイプの文学入門書が誕生した。ともに大阪生まれの2人は高校の同級生で、古書店、古書即売会で目利きを競い合うライバルでもある。そんな2人が対談したり、文庫本をリストアップするなどして、独自の感覚で“名著”を選び出した。
●ダ・ヴィンチ 2008.9月号に紹介
本の内容にとどまらない話題や過去の対談の再録、二人の選ぶ架空の全集など盛りだくさんの内容で、古本好きのみならず本好きなら誰しも買って損はない1冊だ。
●2008.7.26 東京新聞 夕刊コラム「大波小波」
アンソロジーこそ批評
日本文学では古来、アンソロジー編纂にこそ最高にして究極の批評が宿るとされていた。藤原俊成が『千載和歌集』を編むにあたって誰のどの歌を採り、どれを棄てたかは、そのまま彼の鑑識眼を示している。選ぶ者こそ、実は試されているのだ。
こんな事を思い出したのは、岡崎武志と山本善行の手になる『新・文學入門』(工作舎)を読んだからである。この二人の古書マニアの対談集には巻末に、もし彼らが文学全集を編集したらという設定で、60の著者と解説者が並んでいる。それが昨今に文壇政治とは無縁な、純粋に読書家から見たラインナップなので、楽しいのだ。
…リストを眺めているうちに思い知らされるのは、二人の選者の目利きぶりである。小説は小説家にしかわからないといった、昨今の小説家の傲慢な発言を静かに諌めているような企画だ。
●2008.7.30 日刊ゲンダイ ベストセラー早読み
東京堂書店1位(総合・7月3週)
本読み功者2人の痛快文学談議
その守備範囲は小説だけにとどまらず、随筆や詩集にまで及ぶ。漫才のような掛け合いで、埋もれた作家・名作を発掘する楽しみを伝える古本屋巡りの水先案内本だ。
●季刊 諫早通信 第17号
岡崎武志が「野呂邦暢が入らないようなら、この全集をつくる意味がない」といえば、山本善行は「『諫早菖蒲日記』、ぜひこれは多くの人に読んで欲しい。命を削って磨き上げたような名文や」と応え、野呂の文章の魅力を「静謐な世界を簡潔な強い言葉で構築している。諫早という土地の魅力も味方につけているという感じ」。
●仙台っこ 2008.8・9月 盛夏号
三度の飯より本が好きな人のみならず、本屋に行く習慣のない人にもおもしろくてためになる、文学の格好の虎の巻がついに出た。(ブックカフェ「火星の庭」より)
●2008.8.10号 サンデー毎日 重里徹也氏書評
好奇心と探究心が旺盛な大阪人対談
…話題は多岐にわたっているが、二人とも、発言の背後に硬い芯を感じさせる。自分の好みや美意識をはっきりと打ち出しているのだ。それはだけど、考えれば当然のことだろう。古本に興味を持つこと自体、こだわりがなければ、できない行為なのだから。
日々、新しい本が刊行される。新刊書店には最近に出された売れ筋の本が置かれている。新しい本が出るたびに、書店からどんどん本が消えていく。古書店をめぐるのは、失われてしまったものを奪え返す行為だ。こだわりがなくては続かない楽しみだろう。…
考えてみれば、この二人の大阪人の対談自体、質のいい漫才のようだった。徹底した自己相対化が笑いを誘い、読者を広々とした気持ちにしてくれる。読んだ後、やたらに本屋回りをして、いっぱい本を買いたくなった。罪つくりな魅力のある一冊だ。
●2008.7.6 世界日報 羽田幸男氏書評
古本を巡る奔放な文学漫談
…古本について語らせたら、舌の根が乾くことがないほど、延々と自慢話や探書のコツや妙味についてウンチクを傾ける古本マニアの二人による「文学論」だ。
古本愛好家で、二人の名を知らなかったならばモグリと思われるほど、その世界に名がとどろいているといってよい。
その意味で、観念的な文芸評論家の文学論とは違ってひと味もふた味もクセがあって楽しめるものとなっている。
全編、古本への偏愛を交えながら、それぞれの理想とする文学の魅力を絶版本などを通して語り尽くす。…
●2008年7月号 日本古書通信
古本屋の「文學」の面白さ奥深さ
均一小僧岡崎と貧乏古本道山本による、さながら「いとしきよし」古本漫談集。新刊書店の「文学」に対して古本屋の「文學」の面白さ奥深さを語り尽くす。サブタイトル「古本屋めぐりが楽しくなる」がまさにぴったり。…