素粒子の宴[詳細]
祝・南部陽一郎博士、
2008年ノーベル物理学賞受賞 記念復刊
『素粒子の宴』収録時の南部博士 復刊エピソード>>>
素粒子の質量の起源をあかす
「対称性の自発的破れ」というアイディアは
いかにして生まれたのか?
ミクロコスモスにおけるクォークのふるまいを示す
「漸近的自由」の考えはどのようにひらめいたのか?
自然界の統一的理解をめざしたはずのクォーク理論が
新しい粒子がつぎつぎに加わって百家争鳴状態にあった1978年夏。
東京で開催された高エネルギー物理学国際会議のために来日した
ベテラン、新進気鋭の物理学者二人が、
のちにノーベル物理学賞受賞の対象になった
お互いのアイディアをめぐり、熱く語り合った歴史的対話篇。
■目次より |
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クォークを覗く「観測器」はない
クォーク研究の暗黒時代からシンプルな描像へ
「漸近的自由」「対称性の自発的破れ」発見記
2 反対称に憧れる自然——空腹な牛はどっちの草を食べるか
対称性から反対称性に向かうとき
「対称性の自発的破れ」三分講義
固体物理学、パイオン像との関連から
3 重力量子のフィジカル・イメージ——重力のしぶきと空間の泡をめぐって
四つの力の統一と重力のスケールの問題
結晶のしぶきと泡——重力量子を追って
4 物質は数えられるか ——リンゴとミカンのあいだの問題
量子の「気配」を数える
数の発生と対の記憶
5 量子は任意な時間系を選ぶ——ネコの時計、物理学者時計
確率の世界で時計を信用できるか
東西科学者の時間感覚
6 「崩壊」がなぜ「力」なのか?——閉じ込め理論の意味するもの
力学のルールと表現の無限進行
クォークがゲージ理論と出会うまで
クォークの物理的リアリティと閉じ込め理論
ファインマンの「パートン模型(モデル)」
7 物理学者の脇見——何気なくやってくる「漸近的自由」
物理学の戦場と「ロマン」
正面から解けない素粒子物理
8 クォークの将来——「閉じ込め」は可能か
「閉じ込め」とクォークの発見
ゲージ理論とQCDの今後
新しい道具、新しい研究
9 見える対称性、見えない対称性 ——「宴」の余韻のなかで
真理に対する畏怖と恐れ
意図としての対称性
ニュートリノのいたずら
東京-大阪-プリンストン-シカゴ
素粒子物理学者の飛跡 南部陽一郎インタビュー
鉱石ラジオから「対称性の自発的破れ」に至るまで
科学観——おもちゃとモデルの扱い方
日本の素粒子物理学の未来にむけて
素粒子年表・素粒子主要概念譜
主要論文一覧
南部陽一郎 1950-1979
H・D・ポリツァー 1973-1979
宴を終えて
■本書より南部陽一郎氏の名言
1 科学者としていちばん大事なこと 2008/12/9更新[今週の1枚へ] >>>2 物理は不可能なことをするようなもの 2008/12/16更新[今週の1枚へ] >>>
3 「対称性の自発的破れ」を説明すると 2008/12/23更新[今週の1枚へ] >>>
■関連情報 |
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◎ダ・ヴィンチ2009.3月号 糸井重里さんのひとめ惚れ
ダ・ヴィンチの「この本にひとめ惚れ」。コピーライターの糸井重里さんと、アートディレクターの秋山具義さんと、ダ・ヴィンチ編集長が書店を彷徨して、各人の「ひとめ惚れ」本を選ぶ名物コーナーだ。3月号では糸井さんのひとめ惚れの1冊に、『素粒子の宴』が選ばれた。
「『素粒子の宴』は絶妙なタイミングで書店に並んだと思う。話題性だけでなく読んでもおもしろい。著者近影の南部さんが若くて驚いた」と、糸井さん評。
◎2008.12.7 中日新聞・東京新聞書評欄にて紹介
南部陽一郎氏の対談
初版の内容のまま掲載しているが、理論の核は既に完成していることが分かる。南部へのインタビューもあり、少年期の思い出などを語っている。
◎2008.11 『素粒子の宴』30年後の再会
本書で司会を担当した十川治江が、シカゴに飛び、南部博士にインタビューを行った。詳しくは11/18更新[今週の1枚へ]
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◎2008.12.11 読売新聞・毎日新聞・日経新聞夕刊 各ノーベル賞特集広告
◎2008.11.12 朝日新聞広告(西日本11/14)
◎2008.11.3 日経新聞広告
◎2008.10.31 中日新聞・東京新聞広告