(左からレメディオス・バロ、レオノーラ・キャリントン、レオノール・フィニ) |
1孤高の幻想世界を構築する美術家・作家 |
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彼女の現実生活は、 コルシカ島の廃墟となった僧院で 数十匹の猫に囲まれた状況の中で成立している |
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■スフィンクスの画家・・・ |
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1夢の底への下降・魂の神秘の遍歴を紡ぐ、画家であり作家 |
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■エルンストに霊感を与えたミューズ・・・ イギリスのランカシャーで、裕福な実業家を父にアイルランド人を母に生まれる。17歳で社交界デビューするが、飽きたらず、父親の反対を押し切ってロンドンの美術学校に進みました。 1937年、ロンドンでマックス・エルンスト(絵画の分野でブルトンの理論の最も才能ある実践者)と運命の出会いを果たします。エルンストは彼の「風の花嫁」であるキャリントンのために妻を捨てたのです。2人は第二次世界大戦が始まり、エルンストが敵国人として抑留されるまで生活を共にしました。そこで、キャリントンは最初の短編「恐怖の館」と「卵型の貴婦人」を書き、エルンストの挿し絵をつけて出版。ところが、 1940年エルンストが逮捕され、強制収容所に連行されると、ひとり残された彼女は徐々に精神のバランスを失い、スペインの精神病院へ。その狂気の記録が「ダウン・ビロウ」です。 『恐怖の館』 ダウン・ビロウ(狂気の体験の手記)より ---私の胃は社会の基底で、私を地球のすべての要素に結びつけていました。私の胃は地球の鏡であり、そこに映る像は、鏡に映る人物像と同じように実在のものだったのです。鏡─私の胃─は、地球を的確に明確に忠実に映し出すために、厚く積もった汚物の層(公認の因習)を吐き出さなければなりませんでした。この場合「地球」という言葉で、私は微生物の太陽系の星や太陽や地球を指すと同様に、もちろん空と地上のすべての地球や星や太陽を指しています--- ■キャリントンとバロ──「内なる火」で結ばれた友情──『耳ラッパ』 1942年キャリントンはメキシコに亡命します。そこでバロと深い友情を結び、一緒に新しいスタイルの絵画をつくろうとしました。また神秘主義に夢中になり、夢想や物語や魔術的な運命を共有。彼女たちにとって精神の変革への道は女性の変革への道でもあると考えて、1950年代の初期にはチベットのタントラと禅宗(鈴木大拙とも交流が)に傾倒。グルジェフ一派に属するようになったりもしました! そのころ書かれた『耳ラッパ』は破格の遊戯的精神と想像力に満ちた小説で、主人公の92歳のマリアンはキャリントン自身がモデル、その親友カルメラはバロがモデルとなっています。「70歳以下の人間と7歳以下の人間を信用してはだめよ。猫でもないかぎりね」というマリアンとカルメラの言葉どおり、権威と世間の常識を脱ぎ捨てた自由な魂が生息できる不思議な老人ホームがその舞台です。『耳ラッパ』を読むと、彼女が(芸術上でも、生活上でも)料理や裁縫や育児といった女性の日々の生活のイメージの中の秘密の探求を第一にしているのがよくわかります。 |
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↑エルンストによるコラージュ『恐怖の館』より 「彼女は微かに馬に似ていた・・・」 |
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自作の仮装衣装で変装を愉しむバロ 「私には特別な(魔術的・霊的)能力があるのではなく、物の因果関係を見抜く力があると思います。」 |
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ホモ・ローダンス↑ |
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