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●月島を歩く〜『月島物語ふたたび』の世界へ 08 

止まぬ高楼建設

佃島にリバーポイントタワーが建設されてから、二年の歳月が経った。タワーを含む大川端リバーシティ21計画は現在さらに進行中で、近々あと四棟のタワーが完成するという。東京駅からは直接佃島に通じる道路が予定されているし、その傍に巨大な文化・商業施設のビルを建てる計画もあるという。これに既成の公団住宅のアパート群と新しい佃島小学校・佃中学校とを加えると旧石川島造船所跡地は残らずハイテクノロジーによる高層建築街に変貌してしまうことになる。造船所は1970年代に閉鎖され、以来その広々とした空間は黒い土砂を積みあげただけの空地になっていたわけだが、その当時を知る人にとってこの変化が驚き以外の何物でもないことは容易に想像がつく。佃島の、いや月島のどこにいてもリバーポイントタワーの、どこかしら男根状の40階の高楼は、ただちにそれを見上げることができる。逆にいえば、高楼からの視点に立つとき、隣にある旧来の佃の方は囲い込まれたインディアン保護区のように思えてくるのかもしれない。

『月島物語ふたたび』第一七回 高楼の変遷より)

佃島の街並みの背後にそびえ建つリバーシティ21 運河と高楼

隅田川から東京湾へ下る途中、突如現われる高楼ビル群。東京ウォーターフロント開発の先駆と謳われる、超高層住宅街“大川端リバーシティ21”です。これらのビルのおかげで、中央区の人口が10年間で約3万人増加したといいます。その一方で、旧四方田邸の長屋から、西仲商店街から、街のいたる所で高楼ビルを見る度に、妙な違和感を抱いたり抱かなかったり。そんなことにはお構いなしに、今も新たなビルの建設が進行中です。(編集部)

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