宇宙を叩く[詳細]
人が奏でる人籟、風が吹き起こす地籟、
天籟は大自然の声、大自然の呼吸。
森羅万象のざわめきと呼応し、 天人一体となる響きこそが音楽だと考えられた。
まさに天籟受器、楽器。
その形に投影されたアジアの宇宙観がひもとかれる。
■目次より |
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●本書に収められた美しい図像は [Recommended Image:宇宙の音を観る…杉浦康平アジア図像の世界 ]をご覧ください。>>>
■関連図書(表示価格は5%消費税込) |
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【杉浦康平 論文寄稿・インタビュー】
【杉浦康平 アジア的造本を中心に】
【杉浦康平 入手可能な雑誌装幀】
【アジア図像】
【アジア音楽】
■関連情報 |
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●2005.12.27〜2006.1.23 銀座松屋にて杉浦康平企画展「火焔太鼓 宇宙を叩く」
杉浦康平氏の展覧会「火焔太鼓 宇宙を叩く」が銀座松屋で開催。タイトルのごとくテーマは本書『宇宙を叩く』そのもの。日本の火焔太鼓、中国・韓国の建鼓などの華麗なビジュアルが展示されました。
会期:2005年12月27日(火)〜2006年1月23日(月)入場無料
会場:松屋銀座7F デザインギャラリー
主催:日本デザインコミッティー
セミナー:杉浦康平「宇宙を叩く〜火焔太鼓、建鼓の意匠を読み解く」
セミナー日時:1月21日(土) 14:00〜16:00
●韓国「パジュ出版都市」杉浦康平作品展(2005.12.13 毎日新聞より)
アジアに新しい「本の道」 高橋 豊(専門編集委員)
「…今秋、韓国の「パジュ出版都市」で杉浦さんの作品展が開かれた。この出版都市は、ソウルから車まで約40分、広大な敷地に出版、流通、印刷、製本、デザインなど、出版に必要な会社200社が集まる。本を愛する温かい雰囲気にあふれているのが特長で、心臓部に「アジア出版文化情報センター」がある。同センターは国を越えてアジア出版人の交流を図っている。杉浦さんは記念シンポジウムで、韓国、中国、台湾の出版人らと語り合い、センター図書館に「東アジア・ブックデザイン・コーナー」を設立しようと協力を約束した…」
●2005.6.16〜9.6 杉浦康平雑誌展覧会、福岡アジア美術館にて開催
「疾風迅雷〜杉浦康平雑誌デザインの半世紀展」が銀座・大阪・名古屋に続き、福岡に登場。6/16と7/22には杉浦氏による「デザイントーク」も開催。
デザイントーク:
6月16日(木) 『〈意表の夢〉をデザインする』
7月22日(金) 『アジアの心をデザインする』
いずれも18:00〜20:00 あじびホール(福岡アジア美術館8F)
●ダ・ヴィンチ5月号に杉浦康平氏インタビュー
杉浦康平が注目する中国の最新ブックデザイン
杉浦氏インタビューと、氏の事務所で研修し帰国後中国ブックデザイナー界のリーダー的存在となった呂敬人(リュ・チンレン)氏のインタビューが掲載されています。
「中国のブックデザインはここ数年、目を見張る展開を見せています。…本を手にとる人々の五感を刺激する、さまざまな工夫が施されたオビジェ本。本の既成概念とらわれ過ぎた日本の読者・出版人は『こんな本の形があったいいのか!』と驚くはずです…」(杉浦康平)
●DTP WORLD 2005.4月号に杉浦康平氏インタビュー
至高のデザイナー杉浦康平氏が考える「デザイン」とは? 「DTP」とは?
…『あ、面白いな』と思えるものは、1+1が5、100×100が0になる。つまり等式の論理を超えたデザイン。常識の間尺に合わないものこそ、皆に驚きを与えるはずです。…間尺に合わないもの、まだ存在しえなかったものをどう作っていくかが、いいデザインを生む秘訣だと思います。そのためにはまず自分自身の間尺からはみ出なければならない。その秘訣は、感激したり感動したりすること…
インタビューでは工作舎から刊行予定の『造本の宇宙』にも言及。また、タイトルこそ出ませんでしたが、本書『宇宙を叩く』の内容、太鼓への感動を熱く語っています。
●2005.4.22〜5.22 名古屋・国際デザインセンターで杉浦康平雑誌展覧会
「疾風迅雷〜杉浦康平雑誌デザインの半世紀展」が銀座ggg・大阪dddに続き、愛知万博で盛り上がる名古屋に登場。4/22(金)には杉浦氏による「デザイントーク」も開催。
●ダ・ヴィンチ 2005.3月号に杉浦康平インタビュー、『宇宙を叩く』も紹介
本は魅惑のオブジェ、呼吸し、血が通う生きた物体です
本は生き物であり、ひとつの身体をもつものです。今はみんな『顔』しか見ていない。本でいうと表紙だけ。それでは本の元気がなくなってしまう。人間の身体がさまざまなパーツで成りたっているように、本も表紙をめくって見返し、トビラ、本文へとリズムを生み、一体となって呼吸し血が通う物体とすることが大事。そういう本であればこそ、読む人にとって命の糧になるのではないでしょうか。
●2005.1.12〜2.7 大阪 dddで杉浦康平雑誌展覧会
10月東京・銀座のgggで開催され大好評だった「疾風迅雷〜杉浦康平雑誌デザインの半世紀展」が大阪dddに巡回。会期は1/12〜2/7。杉浦氏のギャラリートークも1/12(水)15:30〜。
●2005.10.10〜11.10 リブロ池袋店にて刊行記念フェア&杉浦康平講演会、開催
2005.10.10〜リブロ池袋店3F人文書と2F芸術・音楽では、『宇宙を叩く』を中心とした合同フェアを開催。
3F人文書では下りエスカレータ前で、「杉浦康平が誘(いざな)うアジア図像学の魅力」、
2F芸術・音楽コーナーでは「杉浦康平、音のデザインを読み解く」フェア。
11月7日には、杉浦康平氏の講演会を開催し、大盛況。講演会の模様はこちらへ
●2005.9.29〜11/17 青山BC六本木店復活オープン記念・杉浦康平フェア、開催
9/29にリニューアルオープンした青山ブックセンター六本木店にて、「杉浦康平の造本世界」フェア開催。
杉浦氏のブックデザインを広く集めたフェアとしては近年まれにみる大掛かりなフェア。万物照応劇場シリーズはもちろん、写研『文字の宇宙』『文字の祝祭』、平河出版社『マンダラ蓮華』、国書刊行会『セリーヌの作品』、『世界幻想文学大系』、ヴィジュアル・フォークロア『DOLMEN』など、貴重な書籍が多数そろいます。
また、工作舎からは、『人間人形時代』、『遊1002〜1006』、企画・編集した『神戸芸術工科大学シリーズ』に加え、『遊1期』『全宇宙誌』を見本として展示。
*フェアの様子はこちらへ>>>
●2005.10.5〜10.30 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)にて「疾風迅雷—杉浦康平
雑誌デザインの半世紀展」開催
書籍と平行して手掛けた雑誌は40タイトル、総数2千冊以上。『銀花』『SD』『都市住宅』『エピステーメー』『遊』『噂の真相』『自然と文化』など、約500点を展示。
https://www.dnp.co.jp/gallery/ggg/
●『疾風迅雷—杉浦康平の雑誌デザイン半世紀』(トランスアート)刊行
雑誌造本を集成した作品集を展覧会にあわせて刊行。松岡正剛氏との対談や臼田捷治氏らの論考も収録。
●『ブレーン』11月号(宣伝会議)で原研哉氏によるロングインタビュー
●臼田捷治氏の新刊『装幀列伝』に、「杉浦イズム咀嚼者の仕事」
9月10日に刊行された『装幀列伝—本を設計する仕事人たち』(平凡社新書)では、「戦後装幀市史の最大のメモラブルな『事件』は杉浦康平の活躍にあったといっても過言ではないだろう」と杉浦氏へ最大の賛辞を贈る一方、「杉浦イズム咀嚼者」として、羽良多平吉、工藤強勝、松田行正各氏を挙げています。
「(弟子など)身近にあった人たちと違って、杉浦とはいうならば見えない糸のつながりである。しかし、三人は、杉浦と深いかかわりのある工作舎で働いたことがあることで共通している。…それぞれが杉浦イズムの咀嚼をとおして、独自のデザイン姿勢を歩んできた。」
■書評 |
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●ONKAN(音楽鑑賞教育)2005.2月号にて書評
…雅楽の火焔太鼓の左右一対の装飾や、巴模様の意味についての詳細な考察は興味深い。近代の西洋楽器は機能性の追求により過度な装飾を捨て去ってきたが、元来楽器には各民族の様々な美意識が凝縮していたものであった。
アジア各地の楽器も例外ではなく、特に古代中国の哲学の影響と我が国独自の世界観を併せ持つ雅楽の太鼓のデザインは、特異といってもよいほど装飾に意匠が凝らされたものとなっている。
陰陽、霊獣、配色など、一見すると音とは無関係にみえるさまざまなデザインが、楽器の中にびっしりと詰まっている様は、音楽こそ宇宙の秩序の実現であるという理念が現実のものとなっていることを実感させてくれる。…
●2005.1.30 日本経済新聞書評
古代アジア人が聴いた天の声
機能的な西洋の近代楽器に比べ、日本の楽器は音程や響きが微妙に揺れ動く。深い神話性が隠されているからだ、とグラフィックデザイナーの著者は指摘する。中国や韓国の大太鼓「建鼓」は「宇宙山」の崑崙山を象徴し、日本の「火焔太鼓」は対をなして陰陽原理を解き明かす構造をしているという。古代アジア人が楽器を通じて天の声を聴こうとした姿がうかがえる」
●レコード芸術2004.12月号 片山杜秀氏書評
大地の象徴=《ダ》太鼓が掻き立てる想像。地震国日本と雅楽、音楽鎮護国家論?
日本の雅楽は、もしかして地震と関係があるのではあるまいか。地震国たる日本の宮廷音楽は、地震を鎮め大地を飼い慣らすための呪法と、どこかでかつては繋がっていたのではあるまいか。西村朗、新実徳英、佐藤聰明といった作曲家に。絶大な思想的感化を与えている著者による、アジアの伝統楽器から主に打楽器類を扱い、その神話学的・図像学的・神秘学的探求を試みた本書を読み、そんな想念から離れられなくなった。…
●高山宏氏 図書新聞04年下半期読書アンケートに
本として全く別概念ゆえ順番をつけるのもおこがましい杉浦康平『宇宙を叩く』。楽しい人文書絶無の寒空に小気味良く響く書の宇宙太鼓でした。
●intoxicate 2004.12月号
小沼純一氏書評
…著書が武満徹の《コロナ》などを共作したことを想起してみると、はたして、武満作品の耳の傾け方も変わってくるかもしれない。何より想像力を掻きたてられる本である。
●藤森照信氏 毎日新聞書評欄「2004年この3冊」に
残された図像から人間の精神や心を読みとく杉浦イコノロジーの今年の成果。“万物照応劇場”と銘うつシリーズの五冊目にあたるが、前人未到前途未詳の試みだけに、眼力と知力の続くかぎりつづけてほしい。
●音楽の友2005.1月号 小沼純一氏書評
失われた全人的な感覚の回復
(耳という)身体のなかにある小さな太鼓が、外界の音にはじつに敏感であるのに、内で鳴っている音にはほとんど反応しないという事実。そこから本書は、アジアにおける太鼓のありよう、そのコスモロジ−にはいってゆく。…メディアの発達で、良くも悪くも、音も音楽も身近なものになった。だが、そうした環境のなかで失われている全人的な感覚、宇宙のなかで音に触れるということが忘れられている。本書はそうした感覚・思考の回復を、言葉とイメージによって、つよく、誘いかけてくるものを持っている。
●『言語』2005.1月号 臼田捷治氏
書評
交響楽を思わす精妙さ
…まず目につくのはカバーの上下・背に配された6ミリ幅の黒い罫と両端の〈うろこ〉。衝立(ついたて)の枠か神社の鳥居、あるいは漢籍本の真ん中の折り目に描かれる〈魚尾(ぎょび)〉を連想させもする。シリーズを通して使われ、読者のまなざしを導く〈窓〉であるとともに、イメージを統一する役割を力強く果たしている。中央にあるのは、一対の火焔太鼓のうちのひとつ、三つ巴の太鼓(もうひとつは二つ巴)。余白を生かした布置が心憎い。表紙にも使われている金箔押しは、題字などがいちばん目立たせたいところに使うのが通例だが、ここでは挿図の図柄に使われている。太鼓から発せられる轟きと響きあうような華やかな乱離……。
杉浦の情熱あふれる語り口に応えて、本文も1ページたりともゆるがせにしていない。緩急を心得た構成にくわえて、豊富な図版とのかみ合わせも丹精を凝らしている。内から外回りまで、あたかも交響曲を思わせる精妙さである。
●2004.11.7 毎日新聞・藤森照信氏
書評
人間精神の古層に迫る太鼓の図像学
杉浦の図像研究の特質は、身体から出発(体を震わす太鼓)して図像に及び、さらに宇宙にいたり、そこから一転して身体に帰るという離れ技にあるのだが、巴の場合はどう帰着するか。宙返りして、一気に母体にもぐり込み、発生期の胎児の姿に思いをいたすのである。
柳田民俗学は、文字化されない習俗を通して日本人の心の古層を探ろうとした。杉浦図像学は、文字化されない図像を通して人間の精神の古層に迫ろうとしている。読まずにおけるか。
●2004.11.7 毎日新聞・書評欄には「COVER DESIGN」にも『宇宙を叩く』を紹介していただきました。
●2004.11.7 京都新聞・福島民報ほか・立松和平氏
書評
太鼓の音 知的に論考
打楽器にすぎない太鼓をめぐって、いまだこのような知的な旅をした人を、他に私は知らない。本書は、著者が全存在をかけて求めている『万物照応劇場』シリーズの第五弾…思いは森羅万象へ飛び、宇宙へと広がっていく。時には抽象的に傾きかける論考が、そのつど見事な図版が提示されることによって、精彩と説得力を持ってくる。当代一流のグラフィックデザイナー杉浦康平にしてはじめて可能な、示唆に富む論考の広がりである。
●邦楽ジャーナル 2004.11月号
東アジアの二つの美しく大きな太鼓、建鼓と火焔太鼓を対比し、その装飾が何を物語るのかを、ブックデザイナーの著者が考察」
●バチ2 2004.11月号
アジアの楽器が物語る意味
アジア図像に造詣が深いグラフィックデザイナー杉浦康平が織りなしてきた『音』と『形』に迫り読み解こうというもの。韓国の『建鼓』や日本の『火焔太鼓』から見えてくるアジアの宇宙観など、興味深い内容が、たくさんの珍しい図像とともに楽しめる。
●アマゾン・カスタマーレビュー 小西昌幸さん
杉浦ワールド全開。万物照応劇場、待望の第5弾!
…杉浦先生が以前から折に触れて言及されていたアジアの大太鼓「建鼓」「火炎太鼓」について、膨大豊富な図版と共に杉浦ワールドが全面展開されている。アジアの巨大打楽器の装飾や宇宙観についての考察である本書の第一章で、杉浦先生は《聴覚の成立過程》から論を進めてゆく。実にスリルに満ちているのだ。私は、本書を入手後、直ちにダストジャケットにビニールカバーをかけてありがたく抱きしめたりしている。宝物です。大推薦します。
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●イーエスブックス・「黄金のしおり」ろろうく店長さん
現代屈指の名文家、杉浦康平
もちろんエディトリアル・デザインの至宝である著者の眼力にも舌を巻く。が、杉浦康平は現代屈指の名文家でもあるのは疑いない。彼が強く影響されただろうドイツ語の響きが、記述の内側に秘められている。その簡潔さが、内容の充実を語って余りある。…かたちに秘められた物語に気づけたら、日常の些細なかたちも雄弁に語り始めるのに気づくはず。その後の人生数年間がはっきりと変わってしまう。大オススメ。