目次
第1回 アタナシウス・キルヒャー『普遍音楽』
第2回 宮下志朗『本の都市リヨン』
第3回 フランセス・A・イエイツ『記憶術』
第4回 D・P・ウォーカー『ルネサンスの魔術思想』
第5回 クリストフ・ポンセ『ボッティチェリ《プリマヴェラ》の謎』
第6回 パオロ・ロッシ『普遍の鍵』
第7回 ヨハネス・ケプラー『宇宙の神秘』『新天文学』『宇宙の調和』
第8回 トマス・D・カウフマン『綺想の帝国』
第9回 フランセス・イエイツ『薔薇十字の覚醒』
第10回 ポール・アザール『ヨーロッパ精神の危機』
第11回 S・J・テスター『西洋占星術の歴史』
第12回 フランセス・イエイツ『世界劇場』
第13回 山田俊弘『ジオコスモスの変容』
第14回 『ピカトリクス』
第15回 エラスムス『痴愚神礼讃』
第16回 菊地原洋平『パラケルススと魔術的ルネサンス』
第17回 ジョン・マンデヴィル『東方旅行記』
第18回 ローレンス・M・プリンチーペ『錬金術の秘密』
第19回 折井善果『キリシタン文学における日欧文化比較』
第20回 パノフスキー『イコノロジー研究』
第21回(最終回) 『ルネサンス・バロックのブックガイド』の全体構成
連載にあたって
占星術、錬金術、魔術が興隆し、近代科学・哲学が胎動したルネサンス・バロック時代。その知のコスモスを紹介する『ルネサンス・バロックのブックガイド(仮)』の刊行計画を立てています。監修者のヒロ・ヒライさんは、欧米を拠点に国際的に活躍するインテレクチュアル・ヒストリー(ヨーロッパ精神史)の研究者。1999年より学術ウェブサイトbibliotheca hermetica(略称BH)を主宰し、日本の若手研究者をつなぐネットワークを築いています。
本書ではBHメンバーや賛同者等50人強の執筆者を迎え、約120冊の書籍を紹介するという構想を描いています。名著から最新の研究成果まで、ルネサンス・バロック時代の思想を網羅するブックガイドをめざし、品切となった書籍も含めました。工作舎も多くの邦訳書を刊行してきたヨーロッパ精神史の豊饒な世界を、次の世代の読者に伝える道しるべとなるように。
本書のプロモーションとして、刊行に先立ち一部を連載にて紹介することにいたしました。
ヒロ・ヒライ
ルネサンス思想史。学術ウェブサイトbibliotheca hermetica(略称BH)を主宰。フランス・リール第三大学にて博士号(哲学・科学史)取得。博士論文にて2001年、国際科学史アカデミー新人賞受賞。その後、欧米各国の重要な研究機関における研究員を歴任。2012年に第9回日本学術振興会賞受賞。
勁草書房「BH叢書」シリーズでは監修者として辣腕をふるい、榎本恵美子著『天才カルダーノの肖像』、菊地原洋平著『パラケルススと魔術的ルネサンス』、アンソニー・グラフトン著『テクストの擁護者たち』、山田俊弘著『ジオコスモスの変容』を世に送り出す。現在アメリカ在住。